研究課題/領域番号 |
15658027
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
川崎 東彦 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 教授 (70081578)
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研究分担者 |
阪本 龍司 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 講師 (10275282)
岸田 正夫 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助教授 (90211193)
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キーワード | リン系農薬 / 残留農薬 / 農薬検出法 / 農薬分解菌 / 農薬分解酵素 / 環境モニタリング / フェニトロチオン / パラチオン |
研究概要 |
有機リン系農薬ダイアジノンを分解する土壌細菌を分離し、その中の1株Sphingomonas sp.No.6株の分解酵素およびその遺伝子を解析すると共に、この分解機能を残留農薬簡便検出法へ利用するための基礎実験を行った。 農薬分解の第1段階に係わる酵素はチオリン酸エステル加水分解酵素で、ダイアジノンの他にフェニトロチオン、パラチオン、EPN、クロルピリホスなど多くのリン系農薬も分解でき、それぞれの農薬に対するKm値は10〜30μMであった。分解産物はHPLCやGCで検出、定量できるが、簡便な比色計もしくは目視で検出する方法を検討した。フェニトロチオン、パラチオン、EPNについては、酵素分解産物がニトロフェノール系化合物であり、pH9以上のアルカリ性下で黄色を呈する事から、酵素反応液の黄変を目視で容易に識別でき、試料中の農薬の存在を検出することが出来る。30℃、5分間の酵素反応後、分解産物の簡単な抽出操作により0.1ppmまで検出限界を下げる事ができた。この値は野菜・果物の残留農薬基準値0.1〜0.5ppmに相応する。 分解酵素遺伝子をクローニングし、大腸菌に導入して酵素を大量生産させた。この酵素を検出に用いたが、組換え大腸菌も強い農薬分解活性を有したので、酵素の代わりに大腸菌菌体を用いる農薬検出法も開発した。今後はリトマス試験紙のように簡便な検出法の開発を目指したい。
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