研究課題
セルロース合成菌(Acetobacter xylinum)の膜画分をUDP-[^<14>C]グルコースとインキュベートすることにより、ビトロでのセルロース合成を試みた。セルラーゼ遺伝子が破壊された変異株は、野生株に対して、約3分の1の合成量を示すことが認められた。合成酵素反応系にリコンビナントセルラーゼを加えて取り込みをみたところ、約2倍量の増加が認められた。この反応物を電気泳動に供したところ、Nativeゲルでも、[^<14>C]グルコースの取り込みとウェスタンブロットによるセルラーゼの挙動は一致していた。このことから、セルラーゼがセルロース生合成のプライマーとして機能していることが示された。次に、UDP-[^<14>C]グルコースからセルロースを合成して反応生成物をSDS/PAGEに供した。^<14>Cラベルはオートラジオグラフィで、セルラーゼはウェスタンブロットで検出した。その結果、一部のラベル(反応生成物)はゲルの中に入った。反応液中にセルラーゼを添加すると、ラベルがセルラーゼ(46kDa)と同じ挙動を示した。すなわち、セルラーゼが[^<14>C]グルコースでラベルされることを発見した。セルラーゼのシグナルがスミヤーになることから、グルコース部分は重合度が高いことが推察された。現在、最適条件でリコンビナントセルラーゼをプライマーとして初発反応を行い、反応生成物(セロオリゴ糖/セルラーゼ複合体)を抗体カラムによって単離するとともに、得られた複合体をゲルろ過カラム及び電気泳動に供してセルラーゼとセロオリゴ糖が同じ挙動であることを示し、セロオリゴ糖の重合度をメチル化分析によって決定している。
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