1、ChREBPのクローニング 解糖系のL型ピルビン酸キナーゼ遺伝子や脂肪酸合成系の脂肪酸合成酵素遺伝子の炭水化物応答領域に結合する転写因子として見いだされたChREBPのcDNAをクローニングしてレポーターアッセイを行ったところ、レポーター遺伝子の活性に影響を与えなかった。ごく最近、ChREBPはMlxと二量体を形成して作用するという報告が出されたので、MlxcDNAのクローニングを試みている。 2、ChREBP遺伝子の発現調節 ChREBPcDNAをプローブとして、ノーザン法により解析したところ、ChREBPmRNAはラット肝臓においては高炭水化物食により、初代培養肝細胞では高グルコース/インスリンによりLPKと同様の時間経過で誘導された。次に、ラット遺伝子ライブラリーからChREBP遺伝子のクローンを単離し、翻訳開始点上流約1100bpの配列を決定した。この領域には、HNF1やSREBPの結合配列に類似の配列が見いだされたので、レポーターアッセイで検討したところ、両転写因子共にレポーター活性を著明に促進した。 3、SREBP1の活性を制御する食品成分の検索 レポーターとしてATP-クエン酸リアーゼプロモーターとルシフェラーゼ遺伝子の融合遺伝子を用い、SREBP1の活性に与える食品成分の影響をこれまで5種類の野菜や果物の抽出物で調べたが、効果は認められなかった。
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