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2003 年度 実績報告書

亜臨界条件下における水・有機溶媒混合液を用いた食品素材物質の合成の可能性

研究課題

研究課題/領域番号 15658043
研究機関京都大学

研究代表者

安達 修二  京都大学, 農学研究科, 助教授 (90115783)

研究分担者 木村 幸敬  京都大学, 農学研究科, 助教授 (70211878)
キーワード亜臨界水 / 縮合 / ペプチド / イオン積 / 無触媒反応
研究概要

常圧における沸点である100℃以上臨界点以下の温度範囲で加圧することにより液体状態を保った水である亜臨界水は,常温常圧の水に比べて比誘電率が低く,かつイオン積が大きいという特徴がある.後者の特徴は,水が酸または塩基触媒として作用する可能性を示唆する.このような観点より,亜臨界水を用いた廃棄物等の分解・資源化に関する研究が多くなされているが,亜臨界水は合成反応も触媒する可能性がある.このとき,水可溶性め有機溶媒を混合して水の濃度を低下させることにより反応を合成側に偏倚させ,食品素材物質物質質等の合成収率を向上できる可能性がある.このような可能性を検討することが本課題の目的である.平成15年度は,8個のアミノ酸残基からなるオリゴペプチドであるアンジオテンシンIIと酒石酸を100〜130℃の範囲で数十分間処理すると,アンジオテンシンIIの分解および脱酸素化物と思われる物質への変換とともに,アンジオテンシンIIと酒石酸の縮合(合成反応)も進行することを確認した.合成反応の初速度から算出した活性化エネルギーは71kJ/mol程度であった.一方,アンジオテンシンIIの総括的な分解反応および脱酸素化物と思われる物質への変換反応に対する活性化エネルギーはそれぞれ29kJ/molと138kJ/molであった.これらの活性化エネルギーの異なる複数の反応は並列的に進行していると考えられる.亜臨界条件下で合成反応が進行することが示され,水可溶性有機溶媒を加えて水の濃度を低下することによる反応の合成側への偏倚を検証するための系が確立した.今後は,これらの点について詳細な検討を加える予定である.

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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