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2003 年度 実績報告書

新規熱可塑性セルロースエステル誘導体類の調製

研究課題

研究課題/領域番号 15658052
研究機関東京大学

研究代表者

磯貝 明  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40191879)

キーワードセルロース / エステル / 誘導体 / ケテンダイマー / 塩化リチウム / アルキルケテンダイマー / セルロース溶液 / 均一反応
研究概要

1.熱可塑性のないセルロースに熱可塑性を付与する目的で、製紙において検討されているサイズ剤である、アルケニルケテンダイマー(オレイン酸由来のケテンダイマー)をエステル結合でセルロース水酸基に導入する条件検討を行った。今回の検討では、均一系反応による置換度制御を目的として、安定なセルロース溶剤である、塩化リチウム/ジメチルミミダゾリジノン系を用いてセルロースを溶解させ、塩基触媒として1,3-ジメチルイミダゾールを用いて反応を行い、反応条件と置換度との関係を検討した。
2.その結果、オレイン酸由来のケテンダイマーという長鎖アルケニル基を有するため、最も高い置換度でも1.4程度であった。これは立体障害の影響と考えられる。また、反応時間よりも反応温度、塩基触媒の有無が置換度に大きく影響を与えた。
3.一方、セルロースのエステル化反応とは別の粘着性副生成物の存在が確認された。GPC分析、NMR分析の結果、これらはオレイン酸ケテンダイマー由来のオリゴマーであることが確認された。これらの副生成物の制御は、反応効率の向上に大きな影響を与える可能性がある。
4.精製処理によって副生成物を除去したセルロース/オレイン酸ケテンダイマーエステルは、置換度1.4でTHF等に可溶となり、常温で粘着性を有した物質であった。置換度が0.7程度ではこれらの溶媒に膨潤するのみであったが、熱可塑性は有していた。
5.得られたセルロース/オレイン酸ケテンダイマーエステルの^<13>C-NMR分析結果から、得られた新規セルロースエステルがポリマーブラシ状構造を有しているとともに、中心のセルロース鎖はあたかも固体状態のように運動が拘束された新規物質であることが示された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 磯貝 明: "セルロースの科学"朝倉書店. 174 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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