海鳥類の排泄物を定量的に採取できるコレクターの開発を行った。 大型GF/Fフィルターを透明フォルダー上に置くタイプを作製し、練習船うしお丸および、港湾域で採取を試みた。海鳥の生息密度の高い場所では、効率良く、採取することができた。得られた試料は湿度量測定後、凍結乾燥を行い分析に供した。 排泄物中には、有機態炭素・窒素とも、極めて高濃度に含まれていた。また、リンも著しく高い値を示した。これらの試料を用い、海水中での栄養塩溶出実験を実施するとともに、海産の珪藻を用いた、AGP試験も同時に行った。 排泄物に含まれている栄養塩類は、比較的速く溶出することが明らかとなり、表層の基礎生産に寄与している可能性が高いことがわかった。また溶出物のN/P比は極めて高く、生産をコントロールしている可能性もある。
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