• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

軟体動物アルギン酸リアーゼの起源と遺伝子構造に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15658061
研究機関北海道大学

研究代表者

尾島 孝男  北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 助教授 (30160865)

研究分担者 田中 啓之  北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 助手 (90241372)
岸村 栄毅  北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 助教授 (50204855)
キーワードアルギン酸リアーゼ / 軟体動物 / 遺伝子 / 一次構造 / アワビ / タマキビガイ / クボガイ / ポリマンニュロン酸リアーゼ
研究概要

本年度は、先ず抗アワビ・アルギン酸リアーゼHdAly抗体を作成し、それを用いたウエスタンブロッティングにより、クボガイ、タマキビ、カサガイ、エゾボラ、ホタテガイ、カキ、およびウバガイの内臓抽出物中のアルギン酸リアーゼの存在を検索した。その結果、クボガイの抽出物だけがHdAly抗体と明らかな反応性を示した。また、反応したクボガイ・タンパク質の分子量はアワビHdAlyの28,000よりもやや大きく、約30,000であることが明らかになった。一方、酵素活性を指標にアルギン酸リアーゼの存在を検索したところ、抗HdAly抗体に反応しなかったタマキビガイの抽出物にもリアーゼの存在が示された。そこで、クボガイとタマキビガイの内臓抽出液から70-100%飽和の硫安分画とCM-Toyopearlカラムクロマトグラフィーによりアルギン酸リアーゼを精製し、それらの基本的性質をアワビHdAlyのものと比較した。その結果、クボガイ・アルギン酸リアーゼの分子量は約30,000で、至適pHおよび至適温度などにおいてアワビHdAlyと類似することが明らかになった。一方、タマキビガイ・リアーゼには、分子量37,000,34,000,および29,000の3種があり、アワビHdAlyと比較して熱安定性は約10℃高く、より広いpH範囲(pH3-11)で安定であることが明らかになった。また、N末端アミノ酸配列の分析によれば、クボガイ・リアーゼはアワビHdAlyと約85%の配列同一性を示すHdAlyと近縁の酵素と考えられたが、タマキビガイの3種の酵素はアワビHdAlyと全く配列相同性をもたない異なるタイプの酵素と考えられた。本研究の結果は、軟体動物のアルギン酸リアーゼには、アワビ、クボガイ・タイプと、タマキビガイ・タイプの少なくとも2つのタイプがあることを示している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] E.Shimizu, T.Ojima, K.Nishita: "cDNA cloning of an alginate lyase from abalone Haliotis discus hannai"Carbhydr.Res.. 338. 2841-2852 (2003)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi