研究課題/領域番号 |
15658068
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
木村 和弘 信州大学, 農学部, 教授 (40021092)
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研究分担者 |
中村 寛志 信州大学, 農学部, 教授 (70123768)
内川 義行 信州大学, 農学部, 助手 (20324238)
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キーワード | 中山間地域 / 棚田 / 畦畔除草 / 道路 / 維持管理 / 景観保全 / 生物多様性 |
研究概要 |
1.長野県栄村の水田全区画を対象に1984〜2004年の20年間の農地利用の変化を実態調査から考察した。20年間に荒廃率2/3以上の団地g116団地、全体の49%を占めるようになった。特に1984〜1991年の間に荒廃化が著しく増加し、最近の1997〜2004年の間は微増である。耕作が継続される団地と一気に荒廃率2/3以上に進む団地に分けられる。村内全団地について、荒廃率の変化、団地面積と荒廃率、立地特性と荒廃率などの関係を明らかにした。 2.栄村独自の圃場整備事業の田直し事業を検討し、田直しの技術的特性を、限界値の技術であり、栄村以外での導入にあたっての技術的注意事項を示した。 3.栄村の「耕作が継続されている団地」の畦畔除草の特性を検討した。これらの団地では除草頻度も高く平均年4〜5回の畦畔除草が行われている。そこでは植生はノシバに遷移している。このため除草用具も安全なロープ刃による作業が行われている。 4.中山間地域における耕作の継続と維持管理作業としての畦畔除草が、地域の景観形成に役立っていることが確認された。 5.長野県泰阜村において、村内の全道路路線の性格分類とそれに基づく維持管理状況の検討を行った。村道151路線は、県道へのアクセス、集落間連絡道、農林道的性格など6種類に分類され、これらの維持管理作業は集落の位置、環境によって内容が異なることが確認された。 6.除草管理と生物多様性との関係を検討するため,(1)畦畔の定期的な除草と絶滅危惧種との関係をヒメシジミと絶滅危惧II類のミヤマシジミについて調査し、また(2)圃場周辺の畦畔や休耕田の除草とカメムシ類の発生に関する調査のための定量的なサンプリング手法について検討した。
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