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2003 年度 実績報告書

マウス卵巣への効率的な遺伝子導入法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15658084
研究機関東海大学

研究代表者

佐藤 正宏  東海大学, 総合医学研究所, 助教授 (30287099)

研究分担者 木村 穣  東海大学, 医学部, 教授 (10146706)
キーワードマウス / 卵巣 / 遺伝子導入 / electroporation / プラスミド / EGFP / 濾胞 / lacZ
研究概要

卵巣は卵母細胞とそれを囲む濾胞細胞及びそれらを支える間質細胞(thecal cell)とから成る。卵母細胞は卵巣におおよそ4,000個あるとされるがその内排卵されるのはほんの数%しかない。卵形成(oogenesis)や卵母細胞と濾胞細胞との相互作用を分子生物学的に解析するには、卵巣細胞への遺伝子導入が一つの手段として考えられるが、これまでそのような試みは殆どない。おそらく卵巣が上記細胞群で緊密にパックされており、その中にDNA液を注入しても卵巣内に充分入らず卵巣から漏れ出すため、卵巣への遺伝子導入は無理ではないかと思われていたからと考えられる。しかし、実際、trypan blue(TB)等の色素をmicropipetteを用いてマウス卵巣の中心部に注入すると、最初は液が入りにくい感じだが、徐々に卵巣内に入ることが判った。TBの分布を調べると、濾胞や間質部分が殆ど青く染色されていた。このことはDNA等の液を卵巣内に注入すれば、DNAがどの卵巣細胞にも浸透し、その細胞内に入り込む可能性があることを示唆させる。実際、EGFP(enhanced green fluorescent protein)あるいはlacZ発現plasmid DNAを注入し、直ちに矩形波を発生させるBTX T820 electroporatorを用いてin vivo electroporation(EP)を施した。2日後、卵巣を取り出し、EGFP発光あるいはlacZ活性を組織化学的に観察すると実験毎に変動があるものの20%程の濾胞がモザイク的に遺伝子発現を示した。この方法ではどちらかと言うと、未熟な濾胞がtransfectされている印象であった(Sato et al.genesis 35:169-174,2003)。卵巣への遺伝子導入の発展性を考えた場合、今回のデータだけではまだ不十分と思われる。目下、以下の項目を検討している。
1)卵巣表面に発達するpreantral follicleを標的に遺伝子導入が可能かどうか。
2)卵子あるいは濾胞細胞特異的な遺伝子群(例えば、GDF)の導入・過剰発現あるいはRNAi(RNA干渉法)等による内在性遺伝子発現抑制による卵巣機能への影響を調べる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Sato M, Tanigawa M, Kikuchi N, Nakamura S, Kimura M: "Efficient gene delivery into murine ovarian cells by intraovarian injection of plasmid DNA and subsequent in vivo electroporation."genesis. 35. 169-174 (2003)

  • [文献書誌] Nomura E, Sato M, Suemizu H, Watanabe T, Kimura T, Yabuki K, Goto K, Ito N, Bahram S, Inoko H, Mizuki N, Ohno S, Kimura M: "Hyperkeratosis and leucocytosis in transgenic mice carrying MHC class I related gene B(MICB)."Tissue Antigens. 61. 300-307 (2003)

  • [文献書誌] Sato M, Nakamura S: "Testis-mediated gene transfer (TMGT) in mice : Effects of repeated DNA injections on the efficiency of gene delivery and expression."Transgenics. (in press).

  • [文献書誌] Sato M, Ishikawa A: "Room temperature storage of mouse epididymal spermatozoa : Exploration of factors affecting the sperm survival"Theriogenology. (in press).

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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