研究課題/領域番号 |
15658105
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
谷本 啓司 筑波大学, 応用生物化学系, 助教授 (90261776)
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研究分担者 |
石田 純治 筑波大学, 応用生物化学系, 講師 (30323257)
深水 昭吉 筑波大学, 応用生物化学系, 教授 (60199172)
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キーワード | レニン / ビタミンD / BAC(大腸菌人工染色体) / トランスジェニック・マウス |
研究概要 |
マウス・ゲノム・プロジェクトに用いられたBACライブラリー(RPCI-23)からレニン遺伝子を保持するクローンをスクリーニングした。次にプロファージ組み換えシステムを用いて、このBACに変異を導入した。変異の対象としては核内受容体型転写因子の結合配列であるdirect repeat配列を含むmouse distal enhancer(mdE)を選択した。ビタミンD受容体(VDR)が同配列を介してレニン遺伝子の転写を抑制するという仮説が提唱されているからである。大腸菌より野生型、及び変異(mdE領域欠損型)を導入したマウス・レニンBAC DNAを精製し(パルスフィールド・ゲル・電気泳動による)、マウス受精卵雄性前核へ顕微注入することによりトランスジェニック・マウス(TgM)の作出を行った。巨大BAC DNAを無傷で保持する遺伝子導入マウス系統を確立後、導入レニン遺伝子について半定量的RT-PCR法を用いて発現解析を行った。この結果、同エンハンサー領域を欠損するTgMは野生型の配列を持つTgMと比べて、レニン遺伝子の発現が80%低下していた。この表現型はレニンの主な産生場所である腎臓に限らず、広範の組織において認められた。このことからmdEはレニン遺伝子の効率よい発現に必須の領域であることが明らかとなった。今後、同マウスをVDR欠損マウスと交配することにより、mdEがVDR応答性に関与するか否かを明らかにする予定である。
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