研究課題
本研究室では以前、内在のレニン遺伝子を欠損するマウスの作製を行った(レニン遺伝子欠損マウス)。このマウスにおいては、RA系は正常に機能せず重篤な低血圧状態となることがわかっている。次に私は昨年までの本研究成果として、レニン遺伝子の発現制御領域が正常(WT)あるいは変異型(MT)のBACDNAを用いて、トランスジェニック・マウスを作製した。同マウスの遺伝子発現解析の結果から、レニン遺伝子発現に必須の転写制御領域を見いだすことができた。そこで本年度は、レニン遺伝子欠損マウスとBACトランスジェニック・マウスを交配することにより、変異型のレニン遺伝子により、遺伝子の発現と血圧表現型をレスキューすることができるのかを検証することとした。この目的のために、内在レニン遺伝子が存在しない状態でBAC導入遺伝子を保持するレスキュー・マウスを交配により作製した。遺伝子型の解析はSouthern blot法により行なった。また、対照群としてレニン遺伝子ホモ欠損マウス(Ren-KO/Ren-KO)と、レニン遺伝子ヘテロ欠損マウス(Ren-KO/Ren-1c)とを用いた。これらのマウス(WT-BAC-Ren::Ren-KO/MT-BAC-Ren::Ren-KO)における血圧をTail-Cuff法により解析した結果、正常血圧の維持に必須のレニン遺伝子発現制御DNA領域を複数見いだすことができた。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (1件)
Molecular and Cellular Biology 25(8)
ページ: 2938-2945