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2004 年度 実績報告書

インターフェロン誘導型抗ウイルス機構主要酵素リボヌクレアーゼLの構造と機能

研究課題

研究課題/領域番号 15659010
研究機関昭和大学

研究代表者

中村 和郎  昭和大学, 薬学部, 教授 (00012675)

キーワード構造生物学 / 結晶構造 / 結晶化 / X線 / リボヌクレアーゼ / アンキリンリピート / インターフェロン / 抗ウイルス機構
研究概要

本研究の目的は、新規抗ウイルス薬の合理的デザインに役立てるため、インターフェロン誘導型抗ウイルス機構2-5Aシステムの主要酵素であるHumanリボヌクレアーゼLの立体構造を解明することである。Human RNase Lは741アミノ酸残基から成り、N末側がアンキリンリピートドメイン(ANK)、中央部がキナーゼ類似ドメイン、C末側がRNaseドメインであると言われている。RNaseLは不活性型単量体として誘導されるが、2-5A(2',5'-結合オリゴアデニル酸)のANKへの結合により2量体化し活性型となるという仮説が提唱されている。
我々は既にHuman RNase LのANKと2-5Aとの複合体の結晶化に成功していたが、今年度は、PF-AR NW12を用いることにより、太さ20μm程度の針状結晶であったが、1.8Å分解能の回折強度データを得ることに成功した。人工アンキリンリピート構造に基づいて作成した6リピートからなる理想構造を用いた分子置換法による位相決定に成功し、遂に、ANK/2-5A複合体の立体構造を明らかにした(Tanaka, N.et al.,EMBO J.23,3929-3938(2004))。
Human RNase LのANKは、アンキリンリピートの8回繰り返し構造をとっており、リピート4と5の間に挿入ヘリックスが存在していた。2-5Aはリピート2から4の部分に結合しており、これまでのリピート7および8に結合するという説を覆す結果であった。2-5Aの一番目及び三番目のAMP部分は、それぞれ、リピート4および2と等価な結合様式で結合していた。興味深いことに、これら2-5A認識に関与するアミノ酸残基は、アンキリンリピートの繰り返し配列上で、等価な位置に存在していた。
今回の構造解析の結果から、RNaseLに対してより高い活性化能を持ち、かつ生体内で安定な2-5A誘導体をデザインするための知見が得られた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Crystallization of the N-terminal ankyrin repeat domain of the 2-5A dependent endoribonuclease, RNase L.2005

    • 著者名/発表者名
      Tanaka, N. et al.
    • 雑誌名

      Protein Peptide Lett. 12(in press)

  • [雑誌論文] Structural basis for recognition of 2',5'-linked oligoadenylates by human ribonuclease L.2004

    • 著者名/発表者名
      Tanaka, N. et al.
    • 雑誌名

      EMBO J. 23

      ページ: 3929-3938

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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