• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

細胞膜・分泌タンパク質のゴルジ体非依存的輸送経路の解析

研究課題

研究課題/領域番号 15659012
研究機関北海道大学

研究代表者

鈴木 利治  北海道大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (80179233)

キーワードJIP / キネシン / 分泌タンパク / 微小管
研究概要

I型膜タンパク質は、アミノ末端側に20数個の疎水性アミノ酸に富むシグナルペプチド配列を持ち、生合成途中からこの配列を用いて小胞体に入り、続いてゴルジ体を経て小胞輸送により細胞膜に輸送される。研究代表者はアルツハイマー病の原因遺伝子であるI型膜タンパク質APPの細胞内代謝経路を解析した結果、APPの細胞内輸送には細胞質ドメインが重要であり、細胞質ドメインと相互作用するタンパク質を単離したところX11L, JIP, FE65など複数のタンパク質を得た。これらがAPPの輸送にどのように関係しているのか細胞に発現させて解析したところ、JIPはさらキネシンモーター分子と結合することが明らかになり、キネシンはJIPを介してAPPに結合し、ゴルジ体以降の小胞輸送を微小管依存的に行っていることを生化学的解析および全反射顕微鏡を用いた観察から明らかにした。一方X11Lを発現した細胞では、APPの局在がゴルジマーカータンパク質の局在とは異なる細胞質局在を示した。実験に用いた細胞は非神経細胞であり、X11Lは神経アダプター分子であることから、非神経細胞でも発現しているX11L2を用いて同様な解析を行ったところX11と同じ結果を得た。X11Lを発現した細胞ではJIP/KLCとは異なる経路でゴルジ体を介さずにAPPを細胞膜まで輸送した。X11LはPTBドメインを介してAPPと直接結合するので、X11Lが結合するAPPファミリー分子およびX11Lが結合しない他の膜タンパク質を用いて同様な解析を試みており、ゴルジ体非依存的輸送経路の普遍性を実証すべくデータを蓄積中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] Modulation of amyloid precursor protein cleavage by cellular Sphingolipids.2004

    • 著者名/発表者名
      Sawamura, N. et al.
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem 279

      ページ: 11984-11991

  • [雑誌論文] Facilitation of stress-induced phosphorylation of β-amyloid precursor protein family members by X11-like/Mint2 protein.2004

    • 著者名/発表者名
      Taru, H., Suzuki, T.
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem 279

      ページ: 21628-21636

  • [雑誌論文] Coordinated metabolism of Alcadein and amyloid β-protein precursor regulates FE65-dependent gene transactivation.2004

    • 著者名/発表者名
      Araki, Y., et al.
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem 279

      ページ: 24343-24354

  • [雑誌論文] The APP intracellular domain forms nuclear multiprotein complexes and regulates the transcription of its own precursor2004

    • 著者名/発表者名
      von Rotz, R.C., et al.
    • 雑誌名

      J.Cell Sci. 117

      ページ: 4435-4448

  • [雑誌論文] Caspase cleavage of β-amyloid precursor protein is regulated by cytoplasmic phosphorylation.2004

    • 著者名/発表者名
      Taru, H., et al.
    • 雑誌名

      FEBS Lett. 567

      ページ: 248-252

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi