研究課題
本研究は、双方向・成長型の薬物催奇形性データベース(DB)を持つ医薬情報コミュニティの中核として『薬学部情報薬局』を立ち上げ、学部と大学院における教育研究に活用することを目的とした試験的研究として実施された。これまでに、DB基本設計と必要な情報の収集を行い、薬物催奇形性に関する医薬品基本情報(文書)DB、化合物構造情報DBおよび症例情報DBの3つのサブシステムVer.1を構築し、これらをリンクした統合システムを構築しつつある。H17年春にはDBの一部情報をweb上で公開し、システムの試験運用を実施する予定である。特に、化学構造情報解析に関しては、新たに開発したアルゴリズムに基づくプロトタイプシステムを作成し、これまでに類を見ない薬物催奇形性予測システムが構築されつつある。また、臨床関連活動としては、徳島大学病院の産婦人科等からの薬物催奇形性に関する問合せに対する情報提供活動を開始した。また、産婦人科外来受診の妊婦に使用された医薬品に関する調査を実施し、我国で初めて「妊婦の服薬」に関する医療の現状を把握することができた。今後は、個人情報の収集管理方法について充分な検討を行い、徳島大学病院倫理委員会の承認を得て、実際に、説明と同意に基づく臨床症例情報の収集活動を始めたい。我々のこのような活動が認知された結果、H16年度に徳島大学薬学部「情報薬局」として公式に活動の場が確保された。さらに、情報薬局における教育研究の一環として、DBに格納されている医薬品基本情報と臨床情報から構造活性相関解析(QSAR)手法を用いた情報化学的データマイニングを試みた。その結果、薬物の母乳移行性や胎盤通過性の予測が可能であることを示し、クリニカルQSARという新たな研究分野を提案した。本研究は現在、科学技術振興機構社会技術研究システム・社会システム/社会技術論領域プロジェクトの一環として継続中である。
すべて 2005 2004 2003
すべて 雑誌論文 (18件) 図書 (3件)
Biol Pharm Bull 28(1)
ページ: 143-147
Oncology Reports 13
ページ: 217-222
Drug Metabolism and Pharmacokinetics 20(1)
ページ: 46-54
Biol.Pharm.Bull. (in press)
医療薬学 (in press)
Oncology Reports (in press)
Chem.Pharm.Bull. 53(4)(in press)
Bioorganic & Medicinal Chemistry (in press)
J.Pharmacol.Sci. 95
ページ: 483-486
Drug Metab.Rev. 36
ページ: 233
Neurochem Int. 44
ページ: 459-467
月刊薬事 46(9)
ページ: 133-139
Helv.Chim.Acta. 87
ページ: 2866-2876
J.Pharm.Sci. 93(11)
ページ: 2681-2697
日本応用数理学会論文誌 14(4)
ページ: 267-288
Journal of Computer Chemistry, Japan 2(3)
ページ: 71-78
J.Flow Injet.Anal 20(1)
ページ: 43-48
Analytica Chemica Acta 499
ページ: 199-204