研究概要 |
H15年に開発した手技を24時間連続測定できるように、プログラムの改良を行った。 1.マウス自由行動下、動脈血圧反射ゲインの測定 測定に先立ち、マウスに慢性に動脈圧測定用のカテーテルを留置した。その後、自由行動下で、行動量、動脈血圧(圧トランスデューサ)、心拍数(脈波間隔)を100Hz間隔で連続測定した。動脈血圧反射のゲインは、自由行動下の24時間の血圧と心拍数変化間の相互相関関数の解析から決定した(Masuki et al.,Am.J.Physiol.2003)。行動量、動脈血圧、心拍数測定用の機器は現有のものを用い、脈圧と脈波間隔との関係から血圧反射ゲインを求めるための解析ソフトはキッセイコムテック社と共同開発したものを用いた。 2.マウス自由行動下、覚醒レベルの測定法 さらに、測定に先立ち、マウスの頭蓋骨表面に脳波測定用電極を慢性留置固定した。自由行動下で脳波を100Hz間隔で測定し、脳波から覚醒レベルを1分間隔で定量化した。脳波解析ソフトは、キッセイコムテック社と共同開発したものを用いた。運動開始1〜2分前から、覚醒レベルの上昇が観察された。 3.マウス自由行動下、大脳皮質運動野・脳血流の測定 脳活動の指標として運動野の脳血流をレーザードップラー法で測定し、脳波と共に解析した。自発的行動開始時には、脳皮質運動野の活動の上昇とともに、動脈圧反射ゲインの低下が観察された。 これらの結果を、今後、カルポニンノックアウトマウスに応用し、行動量日内リズムの消滅は、大脳皮質運動野の活動によって、夜間の血圧反射ゲインが低下することによって生じる、ことを明かにする。
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