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2003 年度 実績報告書

血管内皮細胞が抗体分子をエンドサイトーシスすることの病理学的・生理学的意義

研究課題

研究課題/領域番号 15659095
研究機関東北大学

研究代表者

小野 栄夫  東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20302218)

研究分担者 古川 宏  東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手
能勢 眞人  愛媛大学, 医学部, 教授 (70030913)
岩崎 美津子  愛媛大学, 医学部, 助手 (00335902)
キーワードループス腎炎 / ヒト臍帯静脈内皮細胞 / 抗体 / エンドサイトーシス / インテグリン / 寒冷凝集活性 / 内皮下沈着 / subendothelial deposition
研究概要

ループス腎炎などの膠原病に合併する腎病変は、膠原病の予後を規定する重要な因子と考えられており、その成因の解明とともに治療法の開発が待たれている。ループス腎炎は、腎糸球体の内皮下への抗体沈着と病理組織学的特徴とするが、その際の抗体沈着の機序は不明である。本年度は、この点を明らかにするために、膠原病モデルマウスより得られた腎炎惹起性の単クローン性IgG3抗体(7B6.8)とヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を用いたモデル実験系により解析を行った。本年度の結果は、次にまとめられる。
1.ループス腎炎モデルマウス(MRL/Iprマウス)の腎臓の電子顕微鏡所見において、内皮細胞が内腔側より高電子密度の凝集物を取り込み、さらに内皮下に排出している像を観察した。この所見より、糸球体内皮細胞のトランスサイトーシスにより、抗体の凝集物を内皮下に沈着させる新たな機序が示唆された。
2.7B6.8抗体は、寒冷凝集活性を有しており、地の本活性を有さないIgG3抗体との比較から、HUVECへの取り込みには、本凝集活性が重要であることが分かった。
3.HUVECによる抗体の取り込みは、インテグリンの認識モチーフであるRGDペプチドを共存させることにより、ほぼ完全に抑制された。すなわち、内皮への抗体の取り込みが、インテグリン受容体を介して行われていることが強く示唆された。
4.ヒトSLE患者血清中には、HUVECに取り込まれる抗体分画が存在することが分かった。
5.さらに、HUVECの抗体取り込みは、RGDペプチド以外にも、DNA分子によっても阻害されることが分かった。
以上の結果から、ループス腎炎成立に、インテグリン分子が関係している可能性が示唆され、そうした分子をターゲットにした新たな治療法が見込まれる。(以上748文字)

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Fujii H, Nakatani K, Arita N, Ito MR, Terada M, Miyazaki T, Yoshida M, Ono Mら他7名: "Internalization of antibodies by endothelial cells via fibronectin implicating a novel mechanism in lupus nephritis."Kidney International. 64. 1662-1670 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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