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2003 年度 実績報告書

70hscの基質抗原ペプチド結合モチーフ解析

研究課題

研究課題/領域番号 15659097
研究機関札幌医科大学

研究代表者

佐藤 昇志  札幌医科大学, 医学部, 教授 (50158937)

研究分担者 鳥越 俊彦  札幌医科大学, 医学部, 助教授 (20301400)
田村 保明  札幌医科大学, 医学部, 助手 (80322329)
キーワード抗原ペプチド / 熱ショック蛋白質 / 分子シャペロン / MHCクラスI / プロテアソーム
研究概要

1.研究の目的
抗原ペプチドは細胞質内でプロテアソームによって生成され、小胞体膜上のTAP分子により、小胞体内腔に輸送され、MHCクラスIにより提示される。この過程で、熱ショック蛋白質のひとつである73kD熱ショック蛋白質(Hsc73)が抗原ペプチドの小胞体輸送に関与していることを我々は示してきた。Hsc73が抗原ペプチドのシャペロンとして機能しているのであれば、ペプチドのHsc73に対する親和性はペプチドの小胞体転送効率に影響していることが推察される。すなわちMHCクラスIに提示される抗原ペプチドは、細胞質内でHsc73により選択されることを示しており、抗原処理提示機構における分子シャペロンの重要性が示唆された。そこで、Hsc73に対する抗原ペプチドの親和性の規則性について検討した。
2.平成15年度の結果
(1)マウスE.G7(Ova transfected EL4)細胞株より、ADPアガロースを用いてHsc73を精製し、さらにこれをATPで処理し、結合ペプチドを回収した。Hsc73を基質として結合するペプチドの一次構造上のモチーフを解析する目的で、MALDI-TOF-MSを用いて、このペプチドシークエンスを解析した。E.G7のMHCクラスI上に発現しているT細胞認識抗原ペプチドとして8merのSIINFEKL(SL8)が同定されているが、TOF-MSによるペプチドシークエンス解析では、SL8のN末端に2つのアミノ酸が付加された10merのペプチドが同定された。この事実はプロテアソームにより切り出されたペプチドはHsc70に結合するが、このペプチドはおそらく小胞体内でペプチダーゼによるさらなるtrimmingが必要であることが示唆された。
(2)これに加えて、いくつかのHsc73に結合するペプチドを同定したが、現在、その規則性について解析中である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Ida, K., Sato, N., et al.: "Improved induction of synovial sarcoma-reactive CTLs by SYT-SSX junction peptide/HLA-A*2402 complex anchor substitution."J.Immunol.. in press.

  • [文献書誌] Idenoue, S., Sato, N., et al.: "A potent immunogenic general cancer vaccine that targets survivin, an inhibitor of apoptosis proteins."Clin.Cancer Res.. in press.

  • [文献書誌] Ueda, G.Tamura, Y., Sato, N., et al.: "Tumor-derived Heat Shock Protein70-pulsed Dendritic Cells Elicit Tumor-specific Cytotoxic T Lymphocytes (CTLs) and Tumor Immunity."Cancer Science. 95・3. 248-253 (2004)

  • [文献書誌] Takamura, Y., Ikeda, H., Sato, N., et al.: "Regulation of MHC class II expression in glioma cells by class II transactivator (C II TA)."Glia. 45. 392-405 (2004)

  • [文献書誌] Tamura, Y., Sato, N.: "Heat shock proteins; Chaperoning of innate and adaptive immunities."Jpn.J.Hyperthermic Oncology. 19. 131-139 (2003)

  • [文献書誌] Kanaseki, T., Sato, N., et al.: "Histone deacetylation, but not hypermethylation, modifies CIITA and MHC calss II gene expression in squamous cell carcinomas."J.Immunol.. 170. 4980-4985 (2003)

  • [文献書誌] 佐藤百合子, 井田和功, 川口 哲, 佐藤昇志: "Annual Review 2003 染色体転座融合蛋白を標的とした癌治療"中外医学社. 6 (2002)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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