研究概要 |
本研究3年計画の1年目を実施し、以下の項目において研究の成果が得られた。(1)緑膿菌Quorum-sensing機構に関与する遺伝子(lasI, lasR, rhlI, rhlRなど)の発現評価系に関して検討した。その結果、real-time PCR法により関連遺伝子の発現を評価できることを確認し、現在この系を用いて各種マクロライド剤の緑膿菌Quorum-sensing系への影響について検討中である。(2)緑膿菌Quorum-sensing機構に関わる蛋白の精製と抗体作成を行い、autoinducer分子C_<12>-HSLの抗体を得た。現在これを用いてEIAによるassay系の確立を行っている。(3)autoinducer分子(C_4-HSL, C_<12>-HSL)の生体細胞へ及ぼす影響について検討し、C_<12>-HSLがマクロファージ・好中球に対して強いアポトーシス誘導能があることを確認し論文として報告した。この点に関して、さらにautoinducer分子に対する生体側受容体の探索、およびその細胞内シグナル伝達系への影響について検討を進めている段階である。また、autoincucer分子の各種誘導体を作製しており、これらのantagonistic活性についても、菌側・生体側の両面から検討を行っている。
|