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2003 年度 実績報告書

B型肝炎ウイルスが発現するアンチセンスRNAおよびそのプロモーターの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 15659112
研究機関福岡歯科大学

研究代表者

森山 耕成  福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (10265275)

キーワードB型肝炎ウイルス / アンチセンスRNA / RNAポリメラーゼ-III / Dicer / ORF6
研究概要

B型慢性肝炎患者の肝癌切除片の正常肝組織を用いて,変異HBVのC mRNA発現をノーザンプロットで検討した.その過程でpreC-Cプロモーターから転写されるアンチセンスRNA(C-asRNA)を見い出した.その量は少なくprimer-extension法では解析できないため,RT-PCRとRACEによって転写開始点と終止点およびその量を解析した.その結果,大部分はポジション1655から転写が開始され,その約700bp下流のTTTT配列で終結していた.転写開始点の22bp上流に点突然変異をもつウイルスでは,その開始点が上流に移動していた.また,スプライシングを受けた分子は存在しなかった.このRNAの量は,センスRNAの0.05-0.4%であった.したがって,C-asRNAは,RNAポリメラーゼIIIによって転写されていることが示唆された.また,このC-asRNAにあるopen reading frame(ORF6)は開始コドンを欠くものがあったので,ORF6蛋白はウイルス増殖に必須ではないことが示唆された(J.Gen. Virol. 84:1907-1913,2003).HSV-1と同様に潜伏状態で多くのC-asRNAが発現するのかどうか検討したが,HBs抗体陽性の既感染者には検出できなかった.一方,持続感染(慢性肝炎)では,C mRNAの少ない者ほどC-asRNAが多い傾向が認められた(投稿中).---以上,平成15年度分実績報告.602文字---
研究の過程で,ポジション2505付近でpolyA付加される第2のアンチセンスRNAも検出されたが,その開始点は,まだ解析途中にあり確定するに至っていない.また,preSプロモーターから転写される第3のアンチセンスRNA(S-asRNA)を見い出し解析中である。HepG2においてC-asRNAは,CMVのpol-IIプロモーターでもヒトのU6 pol-IIIプロモーターでも発現可能であることを確認し,現在発現したRNAの細胞内局在を同定している.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2003

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Antisense RNAs transcribed from the upstream region of the precore/core promoter of hepatitis B virus.2003

    • 著者名/発表者名
      Moriyama K, Hayashida K, Shimada M, Nakano S, Nakashima Y, Fukumaki Y
    • 雑誌名

      Journal of General Virology 84・7

      ページ: 1907-1913

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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