研究課題/領域番号 |
15659129
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 喜久 旭川医科大学, 医学部, 教授 (20129026)
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研究分担者 |
原 文子 群馬大学, 医学部, 助教授 (70143211)
芝 紀代子 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (00013988)
林 由紀子 旭川医科大学, 医学部, 講師 (50125407)
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キーワード | 尿 / 微量アルブミン / 標準化 |
研究概要 |
尿中蛋白標準品はヒト血清アルブミンを用いて、尿試験紙定性、尿総蛋白定量、微量アルブミン測定用コントロールとして多目的に用い、広く検査領域における蛋白測定評価への汎用を主眼としている。本年度の尿蛋白検査標準化に関する研究は概ね順調に推移し、以下の成果を得た。 1)市販ヒト血清アルブミン(HSA)精製品からHPLC法により、95%以上の純度の単量体を得て、マトリックスが異る3種類のプロトタイプの凍結乾燥品を作製した。純水で再構成後Western blotで解析したところ、いずれもほとんどが単量体で構成され、尿試験紙蛋白検査、総蛋白量測定、および尿中微量アルブミン定量での反応性の再現性、互換性が確認された。4℃、室温保存で測定値は変化なく、高い安定性が示され二次標準品の候補として要求を満たす結果を得た。現在、同様な評価検討を新しいロットについて改良を行い、最終的な仕上げを専門企業と相談し、より実践利用に近いものを多量に供給できるよう作製準備中である。明年度以降も、長期間安定性、重合化の防止策などを引き続き検索を進める問題点を探る予定である。この結果も踏まえ日本臨床化学会により準備中のtraceability protocolに従い、独自のprotocolを作製して、20以上の測定システムに依頼し、国際標準品CRM470からの値づけを実施し、二次標準品の完成を進めてゆく予定である(伊藤、林の分担)。 2)容器の非特異的吸着の少ない、保存チューブについて企業との共同で開発した。予想外に程度は低く、現在のところ100μg/l程度の吸着が認める程度で、尿中微量アルブミンの測定になんら影響を及ぼさない。今後、同様な方法により測定チューブについても同様な検討が必要となる(原、芝の分担)。
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