研究課題
特定の病態などの表現型に関連している遺伝子多型を直接検出する方法として、SNPから表現型へ進むのではなく、特定の表現型を説明できる遺伝型を探索するという逆のプロセスをたどるための基本的手法として、AP-PCR (arbitrary primed PCR)-SSCP (single strand conformation polymorphism)を利用した。1)長寿者とそれ以外のDNAを混合したDNAプールを作成する。100歳以上の百寿者1グループ(9人)、90歳3グループ(8本ずつ)、60歳1グループ(10人)から抽出したgenomic DNAをプールした。2)13種類のプライマーでAP-PCR (arbitrary primed PCR)を施行した.アガロースゲルで増幅産物を確認後、10%PAG、15℃、3.5時間のSSCP泳動を行った.銀染色による可視化で、表現型によって移動度の異なるバンド、濃さが変化しているバンドを切り出し、再PCRの後、TAクローニングを行い、ベクタープライマーで塩基配列を決定した。3)BLAST検索により得られた塩基配列から該当する遺伝子を同定した。4)遺伝子特異プライマーを用いて各表現型の個体それぞれをPCR-SSCP法で解析し、表現型と遺伝型との関連性について検証した。また、塩基配列決定によりSNPを同定した。その結果判明したSNPのうち、高齢者に高頻度に見いだされたSNPを1つ同定した。高齢者の例数も少なかったことから、医学部学生をコントロールとして分析し、SNPの頻度を比較したところ、Homosapiens 3 BAC RP11-61K12 (AC130566)の8768C>G polymorphismが見いだされた.この方法の考え方は、絨毯爆撃的にSNPを検出してから意味付けするのではなく、まとまったポピュレーションを説明できるSNPを探していこうというものである。方法として用いたAP-PCR-SSCPは、網羅的な遺伝子増幅プラスSSCPによる一本鎖としての分離と定量性である。今後、本法をさらにブラッシュアップして、プロテオミクス解析で用いられている2次元電気泳動と蛍光標識プライマーによる遺伝子増幅を組み合わせると、より詳細な解析が可能と考える.
すべて 2005 2004 2003
すべて 雑誌論文 (11件)
Clin Chim Acta (in press)
膵臓 19(6)(in press)
日本分子腫瘍マーカー研究会誌 20(in press)
Clin Chem 50
ページ: 2410-2411
Carcinogenesis 25
ページ: 2311-2317
ページ: 1826-1828
ページ: 1480-1481
ページ: 1322-1327
Clin Gastroenterol Hepatol 2
ページ: 147-156
現代医療 35(7)
ページ: 90-96
日本臨床検査自動化学会会誌 28(5)
ページ: 613-618