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2003 年度 実績報告書

作用機構の解明に直結する微量化学物質による次世代影響評価法の開発-中枢神経系の構築に対する多角的影響評価を中心として-

研究課題

研究課題/領域番号 15659137
研究機関北海道大学

研究代表者

齋藤 健  北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (40153811)

研究分担者 藤田 博美  北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60142931)
蔵崎 正明  北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助手 (80161727)
キーワード微量化学物質 / 影響評価 / アポトーシス / 分化 / 作用機構
研究概要

本研究では、微量化学物質による生体機能障害の包括的な評価法、特に次世代の神経系の分化・増殖、中枢機能発現に対する評価法を確立し、その作用機構を明らかにすることを目的とする。
本年度は、主に次に示す2つの評価系に関する研究を推進した。
1.微量化学物質による神経細胞の分化に対する影響評価系の確立
微量化学物質による神経細胞の分化に対する影響評価系を確立するために、種々の化学物質をNGFと共にPC12細胞(分化過程で神経突起の伸長開始)に添加し、その分化能への影響を検討した。その結果、トリブチルスズなどのいくつかの化学物質は微量で神経突起の伸長を阻害することが明らかになった。
2.微量化学物質によるアポトーシスに対する影響評価系の確立
神経細胞が有機的に結合し、機能を発現するためには、プログラムされた細胞死(アポトーシス)の段階が必要であること、種々の化学物質がアポトーシスを誘導することに着目し、PC12細胞を用いてアポトーシスを誘導し、その細胞に対する微量化学物質の影響を検討した。その結果、トリブチルスズ、2,4,5-Tなどの化学物質は、微量でアポトーシスを抑制すること、逆にノニルフェノールはアポトーシスを促進することが明らかになった。このノニルフェノールによるアポトーシスの促進機構を明らかにするために、アポトーシス関連因子の変動を検討した。その結果、アポトーシス促進因子の一つとして知られるBadの発現量がノニルフェノールの添加でさらに増加することが明らかになった。さらに、ノニルフェノールによるアポトーシス誘導の促進は、キャスパーゼ-3のインヒビターの添加により抑制されることから、ノニルフェノールによるアポトーシス誘導の促進は、キャスパーゼー3を介した促進機構であることが明らかになった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Aoki, M.: "Nonylphenol enhances apoptosis induced by serum deprivation in PC12 cells"Life Sciences. 74. 2301-2312 (2004)

  • [文献書誌] Hori, Y.: "Immunohistochemical study of macrophage migration inhibitory factor in rat liver fibrosis induced by thioacetamide"European Journal of Histochemistry. 47. 317-324 (2003)

  • [文献書誌] 齋藤 健: "微量化学物質による次世代影響-その評価と予防のためのアプローチ-"学校保健研究. 44. 484-488 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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