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2004 年度 実績報告書

作用機構の解明に直結する微量化学物質による次世代影響評価法の開発-中枢神経系の構築に対する多角的影響評価を中心として-

研究課題

研究課題/領域番号 15659137
研究機関北海道大学

研究代表者

齋藤 健  北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (40153811)

研究分担者 蔵崎 正明  北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助手 (80161727)
藤田 博美  北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60142931)
キーワード微量化学物質 / 影響評価 / アポトーシス / 分化 / 作用機構
研究概要

本研究では、微量化学物質による生体機能障害の包括的な評価法、特に次世代の神経系の分化・増殖、中枢機能発現に対する評価法を確立し、その作用機構を明らかにすることを目的とする。
本年度は、主に次に示す2つの評価系に関する研究を推進した。
1.微量化学物質による神経機能に対する影響評価系の確立
環境ホルモン様作用をもつトリブチルスズを脳組織培養系に添加し、その影響を、記憶・学習機能と密接に関連していることが知られている神経伝達の長期増強現象(LTP)の神経生理学的解析から検討した。その結果、トリブチルスズ添加群においてLTPの有意な減少が認められた。このことは、トリブチルスズが、神経機能、特に、記憶・学習機能を低下させることを示唆している。また、本研究で用いたLTPを利用した神経機能影響評価系が有効であることが示唆された。
2.微量化学物質によるアポトーシスに対する影響評価系の確立
種々の化学物質がアポトーシスを誘導することに着目し、PC12細胞を用いてアポトーシスを誘導し、その細胞に対する微量化学物質の影響を検討した。その結果、トリブチルスズ、2,4,5-Tなどの化学物質は、微量でアポトーシスを抑制すること、逆にノニルフェノールはアポトーシスを促進すること、ブチルパラベンは影響がないことなどが明らかになった。このことより、アポトーシスに対する影響評価系が微量化学物質の鋭敏な評価系であることが示唆された。
平成15年度・16年度で得られた評価系を有機的に組み合わせることにより、微量化学物質による中枢神経系への影響を、遺伝子レベルから蛋白レベルさらには神経細胞の分化・増殖、機能発現レベルに至るまで包括的に評価でき、かつその作用機序の解明に直結する評価法を構築した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Nonylphenol enhances apoptosis induced by serum deprivation in PC12 cells2004

    • 著者名/発表者名
      Aoki, M.
    • 雑誌名

      Life Sciences 74

      ページ: 2301-2312

  • [雑誌論文] Nerve growth factor-induced up-regulation of cytosolic phospholipase A2 level in rat PC12 cells2004

    • 著者名/発表者名
      Akiyama, N.
    • 雑誌名

      Neuroscience Letters 365

      ページ: 218-222

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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