研究課題/領域番号 |
15659148
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
市原 学 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (90252238)
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研究分担者 |
前多 敬一郎 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (30181580)
上島 通浩 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (80281070)
那須 民江 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10020794)
束村 博子 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (00212051)
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キーワード | 妊娠 / 授乳 / 次世代影響 / 生殖毒性 / スルフヒドリル基 / アロマターゼ / 性周期 / 育児行動 |
研究概要 |
50匹のWistarImamich雌ラット(7週齢)を10匹ずつの5群に分け、3週間、膣スメア法により性周期を確認するとともに馴化した。照明は6-22時を明、22時-6時を暗にコントロールした。膣スメアでProestrusを確認後、雄WistarImamichiとMatingを行い、スメアにおける精子の存在を確認した。妊娠確認直後、曝露を開始し、離乳まで曝露を継続した。曝露時間は、10時-14時および16時30分-20時30分の合計8時間行い、出産後は、二回の曝露の間14時30分-16時30分の2時間と、曝露終了後21時-10時までの間、母ラットを仔のケージに戻して授乳させた。曝露濃度は、800ppm、400ppm、100ppmの3段階に設定した。対照群は二つ用意し、ひとつは同様のチャンバー内で新鮮空気を投与したもの、もうひとつは、母を引き離さずに常時仔ラットと一緒のケージで飼育したものである。後者の対照群は曝露中の母仔の引き離しによる影響を見るためのものである。800ppm曝露群では、出産が遅延し、分娩時死亡を引き起こしたラットが2匹存在した。剖検では子宮内に仔ラットが残り、子宮内に出血塊が見られた。さらに、6匹の母ラットは、仔をすべて食殺した。仔の吸引行動にも関わらず、母ラットは乳を与えることができなかった。800ppm群においては、仔Nursing異常が見られ、乳腺は十分に発達していなかった。乳腺発達は仔の母乳吸引によって影響を受けることから、曝露による直接影響であるかどうかは不明であるが、Nursingに何らかの障害が生じた可能性がある。また、出産の遅延、子宮出血は、凝固系の問題の可能性のほかに内分泌系障害も疑われるが、今回の実験では原因をつきとめることはできなかった。
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