研究概要 |
HCV core蛋白は肝細胞の癌化に強く関連していることが知られている。そこで、まず、癌遺伝子(G)-SiRNAをHCV core-SiRNAに先立って肝癌細胞に導入する実験を行った。 肝癌細胞株HuH7に対する癌遺伝子(G)-siRNAの一過性導入 癌遺伝子(G)-SiRNAをHuH7細胞に感導入し、transientにover expressionさせた実験では、導入3日目よりコントロールと比べてHuh7細胞数が有意に低下した。 肝癌細胞株HuH7に対する癌遺伝子(G)-SiRNAのレトロウイルスベクターによる導入 SF/hygro/H1promotor/(G)-SiRNAを用いたレトロウイルスベクターによる遺伝子導入の系において2週間のselectionを行った結果、Huh7細胞ではコロニーの形成がみられないことが明らかとなった。しかし、HEK293、NIH3T3、HLE細胞では多数のコロニー形成がみられた。この原因として、(G)発現低下によるapoptosisの誘導とG1 arrestの関与が考えられたので以下の実験を行った。まずapoptosisの確認のため、感染5日後のHuh7細胞においてAnnexin VとsubG1陽性細胞の増加の有無を検討した。Annexin V陽性細胞数はコントロール1.5%に対し28%、subG1陽性細胞はコントロール4.5%に対し30.5%であった。細胞数は感染2日目にはコントロールに比し25%、4日目には約10%と低下した。(G)-knockout後の解析ではP53が増加しており、wild-p53の機能を維持していればp53 dependent apoptosisが起こると考えられた。現在、PLC/PR5,HEK293,Huh7,HepG2,HLEでp53 knockout系を作成し(G)-SiRNAの効果を検討中である。
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