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2003 年度 実績報告書

遺伝子改変樹状細胞を用いた治療免疫の誘導

研究課題

研究課題/領域番号 15659194
研究機関東北大学

研究代表者

菊地 利明  東北大学, 医学部附属病院, 助手 (10280926)

キーワード遺伝子 / トランスレーショナル リサーチ / バイオテクノロジー / 免疫学
研究概要

樹状細胞は、T細胞を通じて抗原特異的な免疫反応を引き起こしている抗原提示細胞であるが、樹状細胞を免疫療法に応用するためには、樹状細胞が十分な免疫誘導を果たせるようになんらかの工夫を加える必要がある。そこで本研究では、FKN(fractalkine,CX3CL1)のような、T細胞を呼び寄せるケモカインを樹状細胞内で強発現させると、樹状細胞はT細胞をより効果的に呼び寄せるようになり、樹状細胞の抗原提示能力が増強されるという仮説を立て、その治療免疫への応用を検討した。
まず、FKN発現組換えアデノウイルスベクター(AdFKN)の作製を行った。組換えアデノウイルスベクターは、発現カセットのプラスミドと、アデノウイルスゲノムDNAのプラスミドを、大腸菌内で相同的に組換えることにより作製した。そして作製したAdFKNを樹状細胞に感染させると、FKNmRNAとFKNたんぱく質が樹状細胞内で強発現することを確認した。続いて、FKNを強発現させた樹状細胞の抗腫瘍効果をin vivoで検討するために、C57B1/6マウスの側腹部皮下にマウス悪性黒色腫細胞B16を用いて皮下腫瘍を作製し、その腫瘍内に直接、AdFKNを感染させFKNを強発現させた樹状細胞(AdFKN-DCs)を投与した。その後の腫瘍増殖を経時的に測定したところ、AdFKN-DCsを投与した腫瘍は、コントロールの樹状細胞(Naive DCs)を投与した腫瘍に比し、明らかにその増殖が抑制された。
来年度は、今年度明らかとなったAdFKN-DCsによる抗腫瘍効果が、どのようなメカニズムで引き起こされているかを詳しく解析するとともに、AdFKN-DCsによる免疫誘導効果を感染症モデル実験においても検討する予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Andarini S, et al.: "Adenovirus vector-mediated in vivo gene transfer of OX40 ligand to tumor cells enhances anti-tumor immunity of tumor-bearing hosts."Cancer Research. 印刷中. (2004)

  • [文献書誌] Kikuchi T, et al.: "Dendritic cells pulsed with live and dead Legionella pneumophila elicit distinct immune responses."The Journal of Immunology. 172. 1727-1734 (2004)

  • [文献書誌] Inoue A, et al.: "Pharmacokinetic analysis of combination chemotherapy with carboplatin and etoposide in small-cell lung cancer patients undergoing hemodialysis."Annals of Oncology. 15. 51-54 (2004)

  • [文献書誌] Usui K, et al.: "N-terminal deletion augments the cell-death-inducing activity of BAX in adenoviral gene delivery to nonsmall cell lung cancers."Oncogene. 22. 2655-2663 (2003)

  • [文献書誌] Nakamura A, et al.: "Increased susceptibility to LPS-induced endotoxin shock in secretory leukoprotease inhibitor (SLPI)-deficient mice."The Journal of Experimental Medicine. 197. 669-674 (2003)

  • [文献書誌] Inoue A, et al.: "Severe acute interstitial pneumonia and gefitinib."Lancet. 361. 137-139 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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