研究概要 |
内在性thymidine kinase(TK)欠損細胞株であるヒト骨肉腫細胞株143BにEBV-TK,KSHV-TK、ヒトTK遺伝子を発現させた。この細胞株に様々な核酸化合物を添加しMTTアッセイで細胞傷害作用を確認することによりTKでリン酸化される化合物をスクリーニングした。このアッセイ系を用いてヒトTKではリン酸化されずウィルスTKによりリン酸化される化合物をスクリーニングすることによりウイルスTK特異的な阻害剤を見いだすことが可能である。その結果、ヒトTK発現細胞には傷害性を示さず、EBV-TK, KSHV-TK発現細胞に特異的に傷害性を示す化合物が見いだされた。EBV-TK発現細胞株に対する,EC50は0.049μg/mlであり、KSHV-TK発現細胞株に対するEC50は0.64μg/mlであった。腫瘍細胞で発現が抑制されているTK遺伝子の再発現を可能にするためにEBV感染腫瘍細胞である。Raji,RPMI8866,NC37をDNAメチル化阻害剤である5-aza-deoxy-cytidine(5-azaCdR)、Histone deacethylase阻害剤であるTrichostatin A(TSA)、butylateと培養することにより、TK遣伝子の発現回復を解析した。5-azaCdR,TSAにより発現が回復しており、今後、化合物に対する感受性を確認する予定である。
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