研究概要 |
内在性thymidine kinase(TK)欠損細胞株であるヒト骨肉腫細胞株143BにEBV-TK,KSHV-TK、ヒトTK遺伝子を発現させ、この細胞株に様々な核酸化合物を添加しMTTアッセイで細胞傷害作用を確認することによりTKでリン酸化される化合物をスクリーニングした。核酸系化合物をスクリーニングすることによりEBV-TK,KSHV-TK特異的に阻害効果を有する化合物を同定した.EBV-TK発現細胞株に対するEC50は0.049μg/mlであり、KSHV-TK発現細胞株に対するEC50は0.64μg/mlであった。EBV感染細胞株RPMI8866を用いてDNAメチル化阻害剤である5-aza-deoxy-cytidine (5-azaCdR)、Histone deacethylase阻害剤であるTrichostatin A(TSA)、butylateで処理することによって化合物に対する感受性の亢進を認めた。またEBV初感染により引き起こされるChronic EBV infectionに対する治療効果を確認するために末梢血リンパ球にB958より分離したEBVを感染させる系に薬剤を加え、その抑制効果を解析した。本化合物を加えることによりMTTアッセイで細胞数の減少を認め、primary infectionに対しても有効である可能性が示唆された。
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