研究概要 |
核医学デジタルイメージング装置の一種であるアクロラド社製ミニガンマカメラ(1.4mm毎に区画化)を使用して線線源を撮像した.撮像の際,電動ステージ,特注MSCコントローラ,特注GP-IBユニット基盤を使用して線線源を回転し,断層像(SPECT)としての空間分解能を評価することに成功した. 次に,上記とは別の核医学デジタルイメージング装置の一種であるデジラド社2020tcを使用して実験をおこなった.この装置は3.2mm毎に区画化されているものであった.この2020tcの画像データを処理することを目的として,VGC-V202RBコンピュータにメモリPDD-400-512MBを搭載して,処理システムを構築した.実験として薄型面線源を撮像した.この線源の作製にはカバーグラスを使用し,カバーグラスの間に,厚さ0.5mmのスペーサーを置き,Tc-99m溶液が薄型の矩形となるようにした.そしてデジタル画像特有であるx方向y方向同時にセンタアライメント,x方向y方向それぞれ別にシフトアライメント,x方向y方向同時にシフトアライメントの場合の計4種類の状態で撮像した.撮像されたデジラド社2020tcの画像をVGC-V202RBコンピュータシステムに転送し,x方向の差分およびy方向の差分を施した.そして面線源の頂点にあたる部分の差分画像を点応答関数であるとした。4種類の点応答関数は忠実に測定された.核医学においてはピクセルサイズが比較的大きいため,アライメントの違いが診断に及ぼす影響が大きいと考えられた.特にSPECTにおいては,投影データにアライメントの違いが存在するとアーチファクトの原因になると考えられた.このように面線源で2次元的に空間分解能を評価し,センタおよびシフトアライメントを把握することは核医学にとって有効であると考えられた.
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