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2003 年度 実績報告書

アログラフト炎症因子-1の細胞工学的制御による先端的移植心動脈硬化治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15659288
研究機関北海道大学

研究代表者

藤井 聡  北海道大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90291228)

研究分担者 岩渕 和也  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (20184898)
小野江 和則  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (40002117)
藤堂 省  北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60136463)
キーワードアログラフト炎症因子-1 / 動脈硬化 / 単球 / マクロファージ / 心移植 / マウス / 拒絶反応 / 遺伝子
研究概要

現在までに我々の研究室で樹立したマクロファージ系細胞にアログラフト炎症因子(AIF)-1を強制発現させたトランスジェニックマウスを用いて各種の検討を進めている。
(1)トランスジェニックマウスから抽出した腹腔マクロファージを用い、蛍光標識したマイクロビーズおよび大腸菌の貪食能をフローサイトメトリー法による解析や分光吸光度計で評価している。AIF-1の発現量に比例して貪食能の亢進が認められ、AIF-1が細胞骨格に作用する機構を知る上で重要なモデルと考えられた。また、我々は同定したマウスAIF-1の遺伝子配列を元に抗AIF-1 siRNAを合成し、AIF-1の発現を遺伝子工学的に抑制した場合の貪食能の変化、細胞内シグナル伝達への影響を検討している。
(2)動脈硬化とAIF-1の関与についての検討では、予備実験では動脈硬化食を与えたトランスジェニックマウス群で対照群と比較し動脈硬化病巣の進展が抑制される傾向が認められた。このため、より病変の進展の差が評価しやすいApo EノックアウトマウスとAIF-1トランスジェニックマウスを交配し新たなモデルマウスを作製した。現在、これらを用い病変の検討中である。
(3)以前、我々はAIF-1を強制発現させたマクロファージ系細胞株をLPS刺激した際にIL-10の産生が亢進することを報告した。IL-10は動脈硬化を抑制するサイトカインとして知られており、動脈硬化という局所の慢性炎症においてAIF-1が過剰発現したマウスモデルでは炎症局所のIL-10産生が亢進し病変形成を抑制していると推測している。実際、マウス腹腔内にLPSを投与するエンドトキシックモデルではAIF-1トランスジェニックマウスで有意にLPS感受性が低下しており、AIF-1が生体内で抗炎症作用に重要な役割を果たしていることが示唆される。このメカニズムについても詳細な検討を加えている。
さらに実験的腸炎モデルで腸管炎症に果たすAIF-1の役割も検討し、発表した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Sugawara T, Fujii S, Zaman AKM T: "Coronary capillary network remodeling in aged obese diabetic rats"Mol Cell Biochem. 248. 165-170 (2003)

  • [文献書誌] Goto D, Fujii S, Kaneko T: "Intracellular signal transduction modulating expression of PAI-1"Biochem Pharmacol. 65. 1907-1914 (2003)

  • [文献書誌] Oyama N, Oyama N, Fujii S: "Left ventricular asynchrony caused by an intra-muscular lipoma"Circulation. 107. E200-E201 (2003)

  • [文献書誌] Motohashi T, Iwabuchi K, Fujii S, Onoe K: "Allogaft inflammatory factor-1 (ALE-1) regulates colitis"Immunology. 110. 112-119 (2003)

  • [文献書誌] Shimada S, Iwabuchi K, Onoe K: "Expression of AIF-1 in uterus"Am J Reproduct Immunol. 50. 104-112 (2003)

  • [文献書誌] Iijima N, Iwabuchi K, Onoe K.: "Selective regulation of CD40 expression in murine dendritic cells"Immunology. 110. 197-205 (2003)

  • [文献書誌] 藤井 聡, 岩測 和也, 小野江 和則: "動脈硬化巣進展におけるNKT細胞の役割"科学評論社(印刷中).

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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