研究課題/領域番号 |
15659297
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
鈴木 洋司 愛媛大学, 医学部, 助手 (20226567)
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研究分担者 |
前田 信治 愛媛大学, 医学部, 教授 (50036464)
満田 憲昭 愛媛大学, 医学部, 助教授 (10314329)
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キーワード | アポリポ蛋白E / 乳癌 / 細胞死 / Bcl-X / STAT-5 |
研究概要 |
研究目的: アポリポ蛋白E受容体のリガンドであるアポリボ蛋白E (ApoE)やリーリン(Rein)の乳癌増殖抑制効果を実証、その抑制機構を分子生物学的に解明し、将来の乳癌を含めた癌全般にわたる予防法・治療法の確立に向けた基礎研究とすることを目的とする。 方法と結果:1)乳癌発症マウスにおける解析 申請者らはApoE遺伝子欠損マウスやReln遺伝子ヘテロ欠損マウスに高頻度に乳癌が発症することに気づいた。そこで、乳癌を発症したApoE遺伝子欠損マウスの乳癌組織および乳癌に罹患していない正常乳腺組織を調べたところ、双方とも週齢を合わせた対象マウスの正常乳腺組織に比べて、Bcl-X_LおよびSTAT-5b量が有意に増加していることが判明した。 2)培養乳癌細胞における解析 ヒト乳癌細胞株HBL-100細胞の培地中に抗癌剤Paclitaxelを100nM濃度で加えると、細胞は細胞死(アポトーシス)をおこす。あらかじめヒトのアポリポ蛋白E3(ApoE3)やアポリポ蛋白E4(ApoE4)を培地中に加えておくと細胞死は抑制された。その効果は特にApoE4において顕著であった。同時に測定したCaspase-3活性はApoEを加えることにより減少(特にApoE3>ApoE4)、Bcl-X_LおよびSTAT-5bは増加(特にApoE4>ApoE3)していた。 まとめ: ApoEはBcl-X_LおよびSTAT-5b量の増加を介して、乳癌細胞の細胞死を抑制していること、その効果は特にApoE4において強いことが示唆された。
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