研究概要 |
臨床応用に向け、humanのcell lineであるHT29とSW480を用いてIFN-βの細胞抑制効果の有無を確認するためにCD-DST法による増殖抑制効果を検討した。24時間培養後、IFN-β 50IU/ml、500IU/mlと5000IU/mlのを添加、144時間後染色、固定した。T/Cは、HT29:IFN-β50IU/ml;59.4%、500IU/ml;53.6%、5000IU/ml;48.0%、SW480:IFN-β 50IU/ml;36.6%、500IU/ml:23,8%、5000IU/ml;16.5%と、HT29とSW480でも増殖抑制効果を示した。特に、SW480では、HT29よりIFN-βに対する増殖抑制効果は高く、細胞種差が認められた。細胞増殖抑制がどの機所に働いているかを解明するためにFACSacnを用いてPI染色してDNAの細胞周期の変化につき検討した。HT29とSW480を24時間培養し、48時間FBSを除いたmediumで培養、72時間後にFBSとIFN-β5000IU/mlを添加し、細胞をPI染色、細胞周期を測定した。結果はHT29:control;preG1 2.13%,G0/G1 68.3%,S 30.9%,G2/M 2.45%、IFN-β5000IU/ml群;preG1 4.1%,G0/G1 48.4%,S 46.2%,G2/M 1.83%。SW480:control;preG1 1.57%,G0/G1 54.7%,S 36.1%,G2/M 7.9%、IFN-β5000IU/ml群;preG1 4.34%,G0/G1 33.5%,S 62.0%,G2/M 2.67%とIFN-βにより細胞はS期で停止し、細胞増殖を抑制すると考えられた。現在、in vivoへの応用へ向け、IFN-βgeneの導入効率の高いadenovirus vectorを検討している。
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