研究課題/領域番号 |
15659307
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
宮崎 勝 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (70166156)
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研究分担者 |
大塚 将之 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (90334185)
吉留 博之 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (10312935)
木村 文夫 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (70334208)
加藤 厚 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (70344984)
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キーワード | 多臓器不全 / 肝切除 / Toll Like Receptor / NF-kB / Lipopolysaccharide |
研究概要 |
肝胆道系疾患における肝切除術後臓器不全発症機構の解明のため、LPSのレセプターであるToll-Like Receptor 4(TLR4)の発現と臓器障害への関与を検討した。[方法]C57BL6雄性マウスに70%肝切除を施行し、残肝組織のTLR4 mRNAをreal time PCRにて経時的に測定した。肝切除(HTX)あるいは単開腹(sham)の48時間後にLPS200*gを投与し、NF-*の活性化およびTNF-αmRNAの発現を検討した。Sham、HTX、LPS投与、HTX後LPS投与群において、肝組織像及びMPO活性を検討した。さらにTLR4 point mutation mouseを用いてHTX後LPS投与群の生存率を検討した。[結果]肝切除後にTLR4 mRNAはcontrolに比し約10倍の発現の増強が認められた(p<0.01)。肝切除後LPS投与群のNF-*Bの活性化およびTNF-_±mRNAの発現はsham群と比べて有意に高い値を示した。肝組織像ではfocal necrosisと好中球を中心とした炎症細胞浸潤を認め、MPO活性も有意に上昇していた。TLR4 point mutation mouseの生存率はwild typeに比し有意な改善を認めた。 以上より肝切除後には肝組織のTLR4の発現が増強しており、LPS投与後TLR4からのシグナルによりNF-Bの活性化が増強され、炎症性カスケードの著明な活性化により肝障害が惹起される。肝切除周術期の細菌感染から肝不全に至る機序として肝組織中のTLR4の発現の関与が示唆された。
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