1.ラット筋芽細胞シートの作成と電気生理学的検討(in vitro) ラット下肢骨格筋より、筋芽細胞を単離し、温度応答性培養皿を用いて、筋芽細胞シートを作成することが可能となった。幼弱なラットより筋芽細胞を単離し、組織化を行うと、比較的早く筋管構造を呈し、自律的な拍動を観察し、MEDシステムで電気的特性を観察すると、筋芽細胞シートがランダムに高電位を発し、この電位は周囲に伝播しないことが確認できた。一方、成獣ラットの下肢骨格筋より筋芽細胞を単離し、組織化を行うと、筋管構造を呈しつつも、幼弱なラットと比較して、自律的な拍動は乏しく、MEDシステムにても高電位を発する現象は比較的認められなかった。現在、週齢による筋芽細胞シートの電気特性の違いを検討している。 2.ラット筋芽細胞シートの梗塞モデルへの移植と電気生理学的検討 ラット梗塞モデルに移植し、MEDシステムにて移植部位の通電性を検討したところ、心房より発生した電気的興奮は、コントロールである閉塞巣と比較して、筋芽細胞シート移植部位の通電性の向上を認めた。 3.ブタ筋芽細胞シートの作成と、ブタ梗塞モデルへの移植 大型動物移植用の大型の筋芽細胞シートを作成し、細胞が積層化した重厚なブタ筋芽細胞シートが作成可能となった。次に、ブタ梗塞モデルを作成し、自己筋芽細胞シートを作成し、ブタ梗塞モデルに移植し、心機能の向上効果、組織再生効果を検討中である。
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