研究課題/領域番号 |
15659336
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岩月 幸一 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80346204)
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研究分担者 |
粟津 邦男 大阪大学, 工学系研究科, 教授 (30324817)
吉峰 俊樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00201046)
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キーワード | 粥状動脈硬化 / 脳梗塞 / コレステロールエステル / レーザー |
研究概要 |
中赤外パルスレーザー照射による粥状動脈硬化部位蓄積コレステロールエステル除去効果に関する基礎的研究を行った。中赤外パルスレーザーの局所的・瞬間的加熱硬化を用いたエステル結合解裂および蒸散効果が、粥状動脈硬化部位コレステロールエステル除去治療に有用となる可能性を示しえた。 粥状動脈硬化は血管内腔にコレステロール等の脂質が蓄積し、血管が狭窄・閉塞し、脳梗塞を招来せしめるものである。狭窄部分には、過剰コレステロールが化学的に安定した形、コレステロールエステルとして蓄積している。コレステロールエステルのエステル結合に固有の赤外吸収波長を用い、照射効果を正常組織に及ぼさず、コレステロールエステルのみを除去していく方法を検討した。 その結果 1)波長5.75μmの自由電子レーザー照射によって、コレステロールエステルがコレステロールとカルボン酸に分解すること。正常組織の主な構成物質であるタンパク質の形状や組成に影響が無いことを確認した。 2)本レーザー光照射によるコレステロールエステル除去のメカニズムは、中赤外パルスレーザーにより局所的、瞬間的な熱効果であるエステル分解や蒸散が誘起されることを示した。 3)本赤外パルスレーザー照射の効果を高効率に誘起することのできる照射パラメーターについて検討を行い、波長5.75μm、パルスエネルギー0.4J/cm^2以上(エステル分解)または1.2J/cm^2(エステル分解および蒸散)、パルス幅10-100μsec以下、パルス間隔1msec以上、数十パルスのレーザーによって高い分解効果が得られることを示した。
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