研究概要 |
本年度はトリコスタチンAによるオステオポンチン発現がどのようなシグナル伝達介するのかを検討をおこなった。 未分化間葉系細胞C3H10T1/2にトリコスタチンA(50ng/ml)を添加し細胞より経時的にRNAを採取しNorthern blotにてオステオポンチン,RT-PCRにてRANKL mRNAの発現の増強を確認した。RT-PCRにてc-Fos, c-Junの発現を調べたところ0,3,6時間後c-Fos, c-Junの発現では明らかな発現の増強は認められなかった。c-Fos, c-JunのEMSAではAP1のcompetiterを用いると明らかにバンドの減少が認められ、c-Fos抗体、リン酸化したc-Jun抗体によりスーパーシフトのバンドが認められた。これらの結果からオステオポンチンの発現にはc-Fos,リン酸化したc-Junが関与していることがわかった。さらに。c-Junのリン酸化に関与する酵素としてはJDPが報告されておりアセチル化のシグナル伝達にはJDPが関与していることが考えられた。またオステオポンチンは破骨細胞においても発現が認められること、今回RANKLの発現も認められており、c-Fosが過去の論文においては破骨細胞においての高進で認められることを考えると、我々が研究しているアセチル化に関するシグナル伝達は破骨細胞形成に関与すると考えており、今後破骨細胞形成過程においてRANK, RANKLなど他のサイトカインがどのように関与するか調べる必要があると考えている。
|