研究概要 |
逆向性トレーサーの皮膚組織投与による輸送状態の検討 タンパク系の逆向性トレーサーとして、HRP、ボツリヌス毒素、テタヌス毒素フラグメントC、WGA、蛍光色素Fast blue,True blue,RITC,Diamidino yellow,Fluoro-goldについて検討を行った。コントロールとして皮内注入による輸送を調べたところ、すべてのトレーサーについて脊髄後角への到達が確認できた。つぎに皮膚組織の処理について、有毛部は脱毛処理後真皮層まで露出し、足底および手掌は研磨器を用いて真皮層を露出し、HE染色およびPGP-9.5免疫組織染色を行って、自由神経終末が表面まで露出していることを確認した。処理後の皮膚組織にトレーサーの軟膏製剤を塗布して密封し逆向性輸送の確認を行っているが、現在までに脊髄後角への到達が確認できたものは、HRP高濃度、Fast blueの2種類である。他のトレーサーについても再試験を行っているが、まだこの皮膚組織処理の方法で神経終末へとりこみ可能か否か結論が出ていない。当初は15年度中に適当と思われるトレーサーを決定してドラッグデザインへ進む予定であったが計画は遅れが発生している。16年度6月までトレーサーの輸送状態の検討を延長し、この結果から薬物のデザインに進む予定としている。
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