研究課題/領域番号 |
15659381
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
公文 裕巳 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30144760)
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研究分担者 |
八木 直人 財団法人高輝度光科学研究センター, 放射光研究所, 主席研究員 (80133940)
筒井 研 岡山大学, 自然生命科学研究支援センター, 教授 (70108158)
門田 晃一 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (60291473)
高柴 正悟 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50226768)
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キーワード | 腎結石 / 歯石 / バイオフィルム / ナノバクテリア / 新種微生物 |
研究概要 |
岡山大学泌尿器科で採取された日本人の尿路結石47検体、パラグアイで採取された尿路結石18検体、岡山大学一般歯科診療室で採取された歯石14検体を対象として、新たに走査電子顕微鏡(SEM)にてNanobacteria-like organism (NLO)に特徴的な粒子を観察、判定した。同時に、フィンランド・グループの原法(PNAS,95:8274,1998)に従い組織培養用DMEMで分離培養を試みた。尿路結石割面のSEMによる解析の結果、フィンランド・グループの報告したアパタイトを外皮とする極めて特徴的粒子としてのNLOが同定可能であり、このNLOの形態は分離培養後における増殖粒子の形態と同一のものと考えられた。日本人の尿路結石とパラグアイ人の尿路結石でのNLOの検出率は、それぞれ61.7%(29/47)、66.7%(12/18)とほぼ同率であった。分離培養はそれぞれ7例と3例に可能であったが、その増殖性には検体ごとに差が見られた。結石成分分析において、リン酸カルシウム含有率はNLO検出例約70%、分離培養例約78%と高率であったが、分析上でリン酸カルシウムを含有しないものからも検出・分離された。 一方、今回解析した歯石ではNLOに相当する特徴的粒子は観察されなかった。分離培養したNLOはフィンランド・グループが作成したNanobacteriaに対するモノクローナル抗体で特異的に染色され、尿路結石の原因が新規微生物と関連する異所性石灰化である可能性が示唆された。分離培養した日本株を抗原として作成したモノクローナル抗体を用いての解析、SPringでの解析、分子生物学的解析を含めて、その性状について多面的にアプローチを続けている。
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