研究概要 |
暑熱環境によるエンドトキシン(LPS)の感受性変化と致死率について研究中である。まだ、十分な解析に至っていないが、興味深い結果が得られている。 実験1.署熱環境による致死率と体温変化 エンドトキシン感受性マウス(C3H/HeN)を2群に分け、人工気象室にて、42℃、40℃,37℃、湿度50%で2から6時間飼育し、室温(27℃)に戻した。 (結果) 1.致死率 42℃群では、約2.5時間で死亡したが、40℃以下では死亡しなかった。 2.体温 暑熱環境下経時的に直腸温を測定したが、体温上昇が大きいマウスが死亡する傾向がみとめられた。更に、体温42℃以上になると、全例死亡した。 3.サイトカイン 暑熱環境下2時間後に採血して、血中TNF, IL-6を測定したが、有意な上昇は認めなかった。更に条件を変えて、研究中である。 実験2.暑熱環境によるエンドトキシン(LPS)の感受性変化 エンドトキシン感受性マウス(C3H/HeN)を2群に分け、人工気象室にて、42℃、37℃,27℃の3群に分け、湿度50%で1時間飼育し、致死量以下および致死量のLPSを投与し、その後3日間、生死を観察した。 (結果) 42℃が他の群に比べて、エンドトキシンによる致死率が有意に亢進した。LPSによるTNF産生能は現在研究中である。 (結語)これらの結果より、マウスにおいて、42℃が暑熱環境の限界温度であり、暑熱環境下では、エンドトキシンによる致死率が有意に亢進することがわかった。
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