研究概要 |
研究目的・実施計画に従い類似構造化合物毎に細胞傷害活性、ポトーシス誘導活性の確認を行った。更に細胞傷害活性の結果から計算により腫瘍選択性を求めた。その結果ガレイン酸誘導体9種類のうち4種類が白血病細胞(HL-60)に強い細胞傷害活性を示した。フッ素化ビタミンD_3誘導体18種類のうち4種類がHL-60細胞に強い細胞傷害活性を示した。イソフラボン2種類とイソフラバノン9種類のうち2種類がヒト正常細胞(歯肉線推芽細胞HGF、歯髄細胞HPC、歯根膜細胞HELP)、ヒト癌細胞(口腔扁平上皮癌細胞HSC-2)共に細胞傷害活性が強く、5種類はHSC-2細胞のみに作用した。4種類はヒト正常細胞、HSC-2細胞共に影響を与えなかった。β-ジケトン23種類のうち3種類がHSC-2細胞傷害活性に顕著であった。コンピュータによる理論化学計算;これら細胞傷害活性実験とフロンティア分子軌道法(半経験分子軌道法)との相関を検討した。各々の類似化合物について配座創出解析ソフトでフレキシブルな分子の最適化構造を検索した。続いてPM3法を用い生成熱、部分電荷、LogP、HOMO-LUMO軌道、ファンデルワールス半径、水和の安定性、イオン化ポテンシャル等を計算で求めた。ガレイン酸誘導体は生成熱、分子の大きさ、Log Pに相関が見られた^<1)>。フッ素化ビタミンD_3誘導体は疎水性と放物線的に良い相関が見られた^<2)>。イソフラボン及びイソフラバノンは水和の安定性及びLogPと良い相関があった^<3)>。β-ジケトン類については検討中である。 1)M.ISHIHARA et al. ANTICANSER Res 23,2549-2552,2003. 2)S.UNTEN et al. ANTICANSER Res 24:in press,2004. 3)Y.SHIRATAKI et al. ANTICANSER Res 24:in press,2004.
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