研究課題/領域番号 |
15659472
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
吉田 広 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (80014330)
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研究分担者 |
遊佐 浩 筑波大学, 臨床医学系, 助手 (40292560)
柳川 徹 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (10312852)
鬼沢 浩司郎 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (60194578)
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キーワード | statins / osteoblast differentiation / bone formation / bone mineral density / vascular endothelial growth factor |
研究概要 |
高コレステロール血症治療薬とし広く用いられているスタチン類(コレステロール生合成経路の律速酵素であるHMG-CoA還元酵素の阻害剤)は、近年、BMP-2産生を増加させることにより骨芽細胞の分化を促進することが示唆されている。本研究では、スタチンの骨分化促進効果が、骨の修復機能の改善に有効であるかの基礎的な検討を行った。 骨芽細胞株であるMC3T3-E1を用いて、スタチンによる分化促進効果の機序を解析したところ、スタチン(10^<-7>Mシンバスタチンなど)はBMP-2に加え、アルカリホスファターゼ、オステオカルシンおよびI型コラーゲンなどの骨形成マーカーの産生を増加させた。また、骨形成に関与する血管増殖因子であるVEGFの産生も増加させた。さらに、コラーゲン分解酵素であるMMP1およびMMP13の産生を抑制した。これらのスタチシの効果は、メバロン酸(HMG-CoA還元酵素生成物)もしくはGGPP(コレステロール生合成経路の中間代謝産物FPPからの生成物)によって阻止された。 PTH、エストロゲン等の骨形成作用をスタチン類がさらに強く増大させる効果があるかどうか調べるために、骨粗鬆症を誘発する卵巣摘出ラットにスタチン(シンバスタチン2mg/kg,週4回・12週間)を投与の実験を開始した。
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