研究概要 |
1.骨髄から間葉系幹細胞を分離し、これを軟骨に効率的に分化させる技術の最適化 昨年度、Sox5,6,9遺伝子の導入によって、骨髄間葉系幹細胞の軟骨分化の速度と効率が飛躍的に上昇すること、このようにして分化した細胞は、軟骨特異的遺伝子mRNAを発現し、軟骨基質の沈着が陽性であることを明らかにした。今年度は、Sox5,6,9遺伝子のアデノウイルスによる導入によって、軟骨がインビボで誘導されることを明らかにした。 2.特異的な刺激を加えて肥大軟骨を作成する技術の最適化 昨年度、上記のように軟骨分化を誘導した細胞に対して、Wntシグナルベータカテニン経路の刺激で肥大分化が著明に促進され、肥大分化マーカーであるX型コラーゲンがmRNAレベル、蛋白レベルで発現していることを確認した。今年度は、インビボにおいてPTH r Pシグナルの下流に刺激性G蛋白(Gs)があり、Gsのノックアウトの細胞は、異所性に肥大分化することを明らかにした。 3.石灰化した肥大軟骨をペレットにして移植し、その骨血管誘導能を見る ウサギの皮下およびマウスの下顎骨臨界骨欠損に、石灰化肥大軟骨を移植した。移植したウサギ及びマウスを経時的に観察したところ、X線上4週目ころから骨化した組織が出現し、組織切片を観察したところ、骨髄腔をともなう骨組織が形成されていた。
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