研究課題
コンピュータトモグラフィ(CT)をコンピュータ上で再構築し、光硬化樹脂によって作製される光造形モデルは顎・口腔外科手術の計画と装置作製に非常に有用であるが、歯列周囲のアーチファクトによる精度の低下や微細部分の再現不良などの問題を残している。本研究では専門的な解剖学的、口腔外科的知識と時間を要するCTデータ編集を短時間、省労力で実現することを目的として、データエディタの開発を行った。今回、特に問題となる歯列付近のアーチファクト対策として、歯列石膏模型をレーザースキャンにより採取したデータをCTデータと統合するハイブリッド化を発想した。CTデータの再構築はWindowマシン上で稼動するAVS Expressを用いた。歯列石膏模型の計測には専用のレーザースキャナー、Surlacerを用いた。作業手順を以下に示す。1.2方向頭部規格X線写真よりステレオグラムを作製し、基準座標系の定義と必要な特徴点の3次元座標を計測した。また、下顎下縁の連続した曲線を抽出した。2.CTデータの取り込みと再構築;DICOM形式でCTデータを取り込み、補間を行いながら3次元モデルを構築した。1.と同様に下顎下縁の連続した曲線を抽出した。3.歯列石膏模型をレーザースキャナーで計測し、特徴点を抽出した。4.3.のデータを歯列の特徴点3点をあわせることで1.のデータと重ね合わせた。5.1.と3.を下顎下縁の曲線データを最小二乗法によって重ね合わせた。この方法により、CTデータと歯列データを同一座標上に統合することが可能となった。
すべて その他
すべて 文献書誌 (3件)