研究課題/領域番号 |
15659488
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
瀬戸 皖一 鶴見大学, 歯学部, 教授 (60064367)
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研究分担者 |
濱田 良樹 鶴見大学, 歯学部, 講師 (70247336)
関谷 秀樹 鶴見大学, 歯学部, 助手 (70267540)
近藤 壽郎 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (70178416)
根岸 洋一 帝京大学, 薬学部, 助手 (50286978)
山本 松男 鹿児島大学, 生命科学資源開発研究センター, 助教授 (50332896)
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キーワード | 細径顎関節内視鏡 / 非ウイルスベクター / 遺伝子導入 / 滑膜細胞 / 骨関節症(OA) / GDF-5 / 滑液解析 |
研究概要 |
顎関節腔内病変の発生原因には、咀嚼筋の異常収縮、顎位、咬合位の変化などによる負荷にて生じた起炎物質による破壊が考えられる。順序として、線維軟骨で構成された関節円板、側頭骨、下顎頭表面の滑膜、そして下顎骨であり、最終的に変形性関節症へと病態は移行する。こうした腔内病変の進行を阻止すべく、腔内洗浄やヒアルロン酸ナトリウムやステロイドなどの注射を行っているが持続的効果は期待できない。そこでこうした起炎物質を洗浄した後に、滑膜や円板に対し組織修復を促進する遺伝子の導入治療を行い、持続的に滑膜修復を行うことが本法の目的である。われわれは診断細径関節鏡の研究について、この平成15年に多くの報告を行った。 平成15年度はその準備段階として、1歳令家兎顎関節滑膜細胞を用いたin vivoにおける導入遺伝子発現確認用の培養系を作成することである。本実験は鶴見大学動物実験委員会の基準のなかで行われている。関節円板を外科的に切除し、まず、円板表面より滑膜細胞を、円板をコラゲナーゼで分解し、軟骨細胞を得た。培地はα-MEM(10%FCS)を用い、滑膜細胞はタイプ2コラーゲンをコーティングした培養皿を、軟骨細胞は、メビオールゲルを薄くコーティングし、半3次元培養をおこなった。その結果、滑膜細胞は、弱いながらもaggrican mRNAとT2collagen mRNAの発現が維持され、軟骨細胞は、強いaggrican mRNAとT2collagen mRNAの発現が観察された。これらをコントロールに、メカニカルストレスを付与し、これらの細胞に刺激を与えた上での変化を観察し、それがGDF-5PNA/DNA decoyを遺伝子導入後に、いかにメッセージが変化していくかを観察する予定である。 GDF-5 PNA/DNA decoyの合成は、帝京大学薬学部において完成した。しかし、EGFP PNA/DNAによる組織移行性の確認(ベクターをEGFP蛍光色素にてラベリングし、その局在により確認)を行った結果、何らかの原因で組織移行が不完全であり、さらなる検討を要した。
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