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2003 年度 実績報告書

遺伝子治療による新しい歯根吸収制御法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15659489
研究機関北海道大学

研究代表者

小口 春久  北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (30124689)

研究分担者 吉村 善隆  北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (30230816)
八若 保孝  北海道大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (60230603)
加我 正行  北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (70125300)
キーワード破骨細胞 / MIF / 歯根吸収 / 共存培養系
研究概要

骨形成・骨吸収の遺伝子治療が考えられている現在、病的あるいは非生理的な「歯根吸収の制御」を遺伝子治療という観点から考えることは、新しい研究分野の展開につながる将来性のある研究の第一歩と考える。破骨細胞は骨吸収を担う多核細胞であり、単球・マクロファージ系細胞の前駆細胞から分化することが知られている。予備実験の結果から、今回我々は、炎症性サイトカインの1つであるマクロファージ遊走阻止因子(MIF)が、破骨細胞分化過程にどのような影響を及ぼすかについて検討を行った。マウス骨芽細胞様細胞(MC3T3-E1細胞)とマウス骨髄細胞との共存培養系によって破骨細胞を誘導し、酒石酸耐性酸性ホスファターゼ(TRAP)活性陽性細胞の出現数、破骨細胞分化因子(RANKL)の発現量、破骨細胞抑制因子(OPG)の産生量および象牙質切片を用いた硬組織吸収能についてMIFの影響を調べた。その結果、TRAP陽性多核細胞の出現数は、MIF濃度に依存して減少することが判明した。一方、MC3T3-E1細胞におけるRANKLの発現およびOPGの産生に、MIFの影響は確認されなかった。TRAP陽性細胞1個中に含まれる核数の分布を調べたところ、MIF作用群ではコントロールと比較し、多核化が抑制されていることが明らかになった。また、象牙質切片上に形成された吸収窩を観察したところ、MIF作用群では形成された吸収窩の大きさが明らかに小さかった。以上の結果より、MIFは骨芽細胞に作用するよりも、むしろ、分化・成熟過程にある破骨細胞の融合過程を阻害することで、成熟した破骨細胞の出現を抑制しているものと考えられ、これらを基盤とすることで、単球・マクロファージ系細胞の破骨細胞前駆細胞もしくは骨髄細胞への遺伝子治療による新しい歯根吸収制御法開発の礎が可能と考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 田畑 太: "破骨細胞分化に対するマクロファージ遊走阻止因子(MIF)の影響について-マウス骨髄細胞ならびに骨芽細胞の共存培養条件下におけるMIFの作用-"小児歯科学雑誌. 41(5). 860-868 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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