研究課題/領域番号 |
15659493
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
森山 啓司 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20262206)
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研究分担者 |
板倉 光夫 徳島大学, ゲノム機能研究センター・遺伝情報分野, 教授 (60134227)
大庭 康雄 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (40294706)
堀内 信也 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (70263861)
高橋 巧 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (30363154)
泰江 章博 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (80380046)
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キーワード | p63 / EEC症候群 / トランスジェニックマウス / 点突然変異 / Fgf10 / LacZレポーターシステム |
研究概要 |
上皮間葉相互作用破綻による口蓋裂発症機序の解明を目的として、我々は欠指・外胚葉異形成・口唇口蓋裂(EEC)症候群発症の分子メカニズムを明らかにすることを試みた。そのためモデルマウス作製を前提として、同疾患の原因遺伝子であるp63遺伝子に点突然変異を含むトランスジーンを用い、それを過剰発現するトランスジェニックマウスの作製を行った。突然変異には、我々がこれまでに日本人EEC症候群患者より検出したものと同一のものを用い、プロモーターにはCAGプロモーターを用いた。p63遺伝子には複数のアイソフォームが報告されているが、ΔNp63αアイソフォームを用いたトランスジェニックマウス胚の1匹において口蓋裂の形成が認められた。マウスゲノムDNA中におけるトランスジーンの組込みはPCRにより確認した。さらにこのマウスにおけるp63の発現を野生型同腹仔と抗体染色により比較したところ、口蓋裂形成マウスでは全身性にその発現が強く確認された。このトランスジェニックマウスの再現性については現在検討中である。 一方で、我々はFgf10遺伝子発現調節領域を、トランスジェニックマウス法を用いたLacZレポーターシステムにより解析してきた。現在、発生過程においてp63は上皮、Fgf10は間葉におけるマスター遺伝子であると考えられているため、Fgf10遺伝子発現調節領域の解析を行うことは本研究課題に相乗効果を生むと期待できる。これまで我々はFgf10遺伝子5'上流領域をトランスジェニックマウス法を用いたLacZレポーターシステムにより解析を行ってきた。これまで確認されていた遺伝子コード領域5'側2.0kb上流断片の外胚葉性頂堤ならびに0.7kbの四肢軟骨における発現制御モチーフの存在に加え、今回0.4kbには内耳の発現制御モチーフが含まれていることを明らかにした。現在口蓋における発現制御モチーフを検索中である。
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