研究課題/領域番号 |
15659504
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
石井 範子 秋田大学, 医学部, 教授 (10222944)
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研究分担者 |
長谷部 真木子 秋田大学, 医学部, 助教授 (60241676)
佐々木 真紀子 秋田大学, 医学部, 助教授 (40289765)
村田 勝敬 秋田大学, 医学部, 教授 (80157776)
長岡 真希子 秋田大学, 医学部, 助手 (40333942)
工藤 由紀子 秋田大学, 医学部, 助手 (20323157)
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キーワード | 抗がん剤 / 暴露 / 健康影響 / 看護師 / 医療施設 / 防護具 / ガイドライン / 作業環境 |
研究概要 |
1.日本の医療施設における抗がん剤の曝露に対する防護状況の調査 防護対策を推進する前段階として、日本の医療施設における抗がん剤の取扱い方と防護策の実施状況を把握するために質問紙調査を実施した.抗がん剤治療を行っている310施設の看護最高責任者を対象に、抗がん剤の取り扱い、曝露対策の実施状況、組織的な取組、防護策実施上の課題について尋ねた.回答は166施設(大学病院57、がん専門病院9、総合病院100)から得られた(回収率53.5%).化学療法部門を設置している施設は70(42.5%)であり、病院の種類と有意な関連があった.抗がん剤の準備場所は病棟が約80%で、一連の与薬作業は「注射針の刺入」で医師が多かったが、それ以外の全ての作業は看護師が行っている施設が圧倒的に多かった.最も多く使用されている防護具は手袋(80.6%)で、次いでマスク(59.4%)、ガウン(32.6%)で、30施設(18.2%)では何も使用していなかった。一度に使用する防護具は2種類(22.9%)が多かった.その他に作業環境の考慮(38.8%)、ガイドラインの使用(18.7%)、排泄物取り扱いの配慮(10.3%)であった.抗がん剤の曝露を避けるために、全ての施設で看護師に教育の必要があるとしているものの、実施している施設は34(20.7%)だけであった.防護策実施上の課題は、薬剤部等との調整困難、スペースの狭さ、コスト等であった. 2.抗がん剤曝露の防護策を実施している病院の訪問調査 7施設(4がん専門病院、3大学病院)を訪問し、抗がん剤を取り扱っている場面を観察した.何らかの防護策を講じているが、施設によって差があり、全体的に理想的な防護策とはいえない現状であった.
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