今研究の目的は、日本に滞在している外国人研修員のストレス反応の実態を把握し、関連要因を明らかにすることである。また予防的視点からストレス緩和にかかわるための援助活動の一助となることを期待するものである。 本年度は、主として、以下の2点について実態調査の準備を行った。 1.調査のための自記式質問紙の作成 調査票は3部構成とし、(A)個人調査票による個人背景(出身地域、性別、婚姻状況、職業、滞在期間など)(B)日本での生活の中で困難と感じる事柄の項目(コミュニケーション、食生活、生活習慣の相違など)を選択。また、身体症状で下記のGHQ28に含まれないが、研修生に見られる消化器症状(胃痛、便秘、下痢など)を追加した。(C)GHQ28英語版の使用登録を終了。それぞれに英語を第2外国語とする対象者に理解可能で、回答しやすい内容になっているか、内容によって個人特定に結びつくような質問でないか、宗教や文化に対する配慮をした設問になっているかを検証している。 2.調査の準備 調査対象者は平成16年度のJICA研修員であるため、JICA本部へ協力を依頼し、研究の目的・主旨・方法についての説明を行っている。 全国にある研修センターで、最適と考えられる調査実施時期およびどの程度の研修員が調査期間中に対象者となる可能性があるかを検討、確認している。また、プレテストにて質問紙の信頼性・妥当性の検証を行うため、近隣在住の外国人に協力依頼を行っている。プレテスト実施後に調査項目の修正を行い、調査準備の最終段階となる。
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