本研究は、救急看護の実践的機能を明らかにする目的で実施する。現役で救急看護に従事する救急認定看護師20名に対し、看護介入(NIC : Nursing Interventions Classification)のレベル3に属する485の看護介入の実施頻度と、救急看護における重要度について予備調査を実施した(回収率、有効回答率ともに100%)。対象者の50%以上が「時々実施する」「よく実施する」と回答したのは146の看護介入で、対象者の80%以上が「時々実施する」「よく実施する」と回答したのは87の看護介入であった。87の看護介入の多くは、<生理学的:基礎>・<生理学的:複雑>・<ヘルスシステム>の領域に属していた。また、対象者が救急看護の機能として重要と認識しながら、日常での実施に至っていない看護介入の多くは<行動的>の領域に属していた。 Web上に掲載されているデータベース(医中誌Web、Pub-Med)を用いて文献検索し、原著及びresearchを対象としたレビューを実施した結果、海外ではじめて「emergency nursing」という用語が登場するのは1967年からであった。本邦のWeb上にデータベース化されてるのは1983年からであった。現在までの救急看護に関する文献は、大きく「患者ケア」「家族ケア」「プレホスピタルケア」「災害時ケア」「教育・管理」の5つのカテゴリーに分類できた 今後は、検討した文献の中から抽出したキーワードが上記87の看護介入に網羅されているか検討し、質問紙の妥当性を高めていく。また、テスト-リテスト(1カ月)を行い、相関係数0.50未満の項目を削除し、最終的な質問紙を完成し、全国の災害拠点病院に勤務する救急部門のナースを対象に本調査を実施する。
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