救急看護の実践的機能を明らかにすることを目的とする本研究の昨年度からの予備調査、及び文献検討の結果から、最終的に救急看護との関連性が認められる155の看護介入を抽出した。 全国の災害拠点病院538ヵ所、及び救命救急センター170ヵ所のうち災害拠点病院に重複しない救命救急センター15ヵ所を含めた計538ヵ所(平成16年3月現在)の看護部門責任者に対し研究協力の依頼を行ったところ、32都道府県、102ヶ所の施設より協力の意思表示を得た。平成16年11月1日〜平成17年2月31日の間、102ヵ所の施設に対し、予備の調査票を含め2123通の質問紙を送付した。結果、572通の返信を受け(回収率26.9%)、うち552通の有効回答を得た(有効回答率96.5%)。 対象者の80%が20歳代・30歳代で、臨床経験年数の平均は10.9年、救急看護経験年数の平均は4.3年、認定救急看護師が3名含まれていた。対象者が属する機関の救急形態は、1・2次37.5%、3次のみ28.3%、全次37.5%で、平均病床数630床、平均救急部門総病床数26床、平均年間総救急車搬入件数3053件、平均年間総救急外来患者数20046人であった。 看護介入の実施頻度を集計した結果、対象者の50%以上が少なくとも1日1回以上実施すると回答したのは94介入(60.6%)、60%以上では61介入(39.4%)、70%以上では35介入(22.6%)、80%以上では10介入(6.5%)で、これらの多くに、各看護介入が救急看護において重要であるか否かの対象者の認識との間で相関が認められた。また、看護介入の実施頻度は、対象者の個人特性や所属機関の救急形態によって若干の異なりを見せていた。今後、所属機関の形態別・活動状況別、さらに対象者の個人特性別に統計的分析を行い、検討して行く必要がある。
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